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 「世界で戦える土壌を作るために、中国版と英語版のSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)型eセールスマネージャーを開発した」。営業支援ソフトの「eセールスマネージャー」を展開するソフトブレーンの松田孝裕社長は、2009年度(12月期)には海外向け販売を国内販売よりも上回る規模にする策を練っている。

 まず中国市場に、近く本格的に進出する。パッケージ開発を担うため97年2月に中国に設立した軟脳軟件(北京)有限公司が、既にキリンやセコム、大手電機メーカーなど日系企業30社弱の顧客を獲得しているという。そこで今後は中国企業や中国政府に顧客層を広げるために、中国のシステム販売会社やSaaSの提供基盤を持つシステム開発会社と提携し、一気に攻勢をかける。このため、カスタマイズはできないがテンプレート化した半値程度の廉価版を投入する。

 欧州にも拠点を設けるために準備している。SaaSを運用できるシステム会社と提携し、市場開拓を進める計画だ。

 さらには、06年8月に立ち上げたMIJS(メイド・イン・ジャパン・ソフトウェア)コンソーシアムと協業する方針。MIJSはソフトブレーンやサイボウズなど、日本の有力なパッケージベンダーが結集。製品の相互連携を行うことで、海外展開および国内ビジネス基盤の強化を図ることを目的に設立されたものだ。

 ソフトブレーンは、MIJSのメンバー企業の中で既に英語版製品を出しているパッケージベンダーと手を組むことを考えている。中国市場でも同様な計画を持っている。ただし同じ海外進出でも、米国市場の開拓となるともう少し時間がかかりそうだと言う。

 ソフトブレーンがSaaS型eセールスマネージャーを売り出したのは04年8月になる。サービス会社として設立したソフトブレーン・サービスが中堅・中小企業をターゲットに売り込み、顧客数は300社に達している(同社の07年度売上高は7億円弱を見込む)。

 このほか大手企業300社近くにも採用されており、eセールスマネージャーのユーザー企業の4割がSaaS型になっているという。最近はライセンス販売よりも、導入してすぐに使えるSaaS型の活用を好むユーザー企業が増えているからだろう。

 ソフトブレーンは3年前、(1)世界市場に打って出る、(2)サービス事業を強化する、(3)パッケージ製品の拡充や機能強化を推進する、という基本方針を作成した。「一つのパッケージだけに固執していると、大手ベンダーが営業支援ツールをバンドルしたりするなど、競合ベンダーが増えて厳しい状況になる」(松田氏)ためだ。そこで、中国版と英語版のeセールスマネージャーを開発したり、eセールスマネージャーを活用するサービス会社のソフトブレーン・サービスなど関連会社を相次いで設立してきた。

 サービス会社には、4万人の主婦を使ってマーケティング調査を代行するソフトブレーン・フィールド、中堅・中小企業の人材採用を支援するソフトブレーン・ヒューマン、システム構築などを手掛けるソフトブレーン・インテグレーションがある。サービス関連会社の売り上げは、07年度にはパッケージ販売の売り上げを超す勢いで成長しているという。

 こうした施策を通じて、ソフトブレーンは06年度の売上高43億3500万円、経常利益1800万円から、09年度に売上高100億円、経常利益10億円を目指す。日本のパッケージベンダーの大きな壁になっている売上高100億円を超すために、海外進出とサービスへの加速は欠かせないと考えている。

 「当社の狙いは非製造部門の生産性向上や業務の効率化にある。日本の人口がこれから減る中で年率2~3%で成長するには、やらなければならない」(松田氏)とし、ソフトブレーンは国内販売についても手を緩める気はない。

 日本のパッケージベンダーの今後の成長性を占う意味でも、ソフトブレーンの試みは大いに注目されるに違いない。