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 「地域に研究所はあるのだが,プロジェクトに参加しなくてもいいのかという質問が多い。総務省としては何らかの関係を持つことを期待すると回答している」――。

 総務省は,2007年10月31日を期限として,ユビキタス特区に関する提案の募集を始めた。ユビキタス特区は,元々「電波特区」と言われていたものである。総務省は,必ずしも電波の利用にはこだわらず有線系のものも募集しているというものの,提案の多くは電波を利用した新しいシステムの実証実験を行うものとなりそうだ。

 今回の募集では,利用可能な周波数が示された。280MHz帯と1.5GHz帯,5.8GHz帯,およびUHF/VHF帯である。UHF/VHFについては,北海道や沖縄県,および横須賀市/相楽郡精華町など(関西文化学術研究都市),つくば市で利用可能な周波数が示された。「従来,電波は手続きが面倒であり,使える周波数も自分で探す必要があった。今回周波数を提示したことで,電波を利用したシステムのハードルが下がった」と総務省はその意義を強調する。

 今回の提案募集ではUHF/VHFについて,地域を例示する形となっているが,地域が限定されるわけではない。総務省によると,「どこに参加したい人がいるのか知りたい。これらの地域だけではなく各種の研究開発機関が集まる区域であれば,提案してほしい」という。研究開発機関が集中している場所とする理由は,「プレーヤがたくさん参加する方が相乗効果を期待できるため」(総務省)と説明する。なお,北海道や沖縄県について,全域を特区に指定する考えはないという。

 特区のような形で一斉に実証実験などが始まると,既存の免許人にとって最大の心配は電波の干渉が問題にならないか,という点である。この点については,応募の段階で電波の使い方を記述してもらっており,影響がないか役所で確認する。また実際に利用が始まったあとも,干渉などの問題が発生した場合は,既存の免許人の利用に影響を与えないように出力を下げるなどの措置をとるという。

 今回の募集では,プロジェクトのイメージとして「固定通信,移動通信,放送の融合・連携サービス,各種アプリケーションの開発」を挙げている。その一方で,UHF/VHF帯は2011年7月のアナログ停波のあとに,携帯電話機などケータイ機器に向けた新しい放送サービスに周波数の割り当てが予定されている。この放送への参入を考える事業者が各種の実験を行うために,ユビキタス特区へ名乗りを挙げる可能性もある。これについて,「あくまで別の制度である。特区の期限が切れる2011年3月末には実験を終了してもらう」とした。

 さて,ユビキタス特区への指定地域はどの程度になるのだろうか。現時点で総務省から公式な見解は出ていない。筆者が100箇所ぐらいかと聞いたところ,「それだけ多いと,特区とはいえない」といい,20箇所とかそういう数字かと聞いたところ「予算措置を必要としない地域もあると考えれば,そういう数字になる可能性はある」という。