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パーク24 代表取締役社長 西川 光一氏
パーク24
代表取締役社長
西川 光一氏

 1971年に創業したパーク24は、当初の20年間は駐車場の機械販売や、管理者の派遣を主力事業としてきた。この間に、駐車場機器と管理運営のノウハウを蓄積し、1991年から時間貸駐車場であるタイムズ事業を開始した。

 現在は全国8887カ所、24万5435台、そのうち時間貸しのタイムズ事業で6000カ所超、16万2000台の駐車場運営を行っている。41都道府県で事業展開しているのに加えて、昨年、台湾と韓国にも進出したところだ。


3種類に分かれる時間貸駐車場のタイムズ事業

 大型商用車などを除く乗用車や商用車の日本国内の登録車両数は約6000万台と言われている。社会の需給バランスを取るには、1100万台分の駐車場を確保する必要がある。しかし、実際には359万台分しかない。さまざまなものが充足されている世の中において、駐車場は圧倒的に足りないといえる。こうした中で、当社の事業は拡大してきている。

 タイムズ駐車場は3種類に分かれている。1つは、地主から土地を借りて定額の地代を支払うST(スタンダード・タイムズ)だ。だが、この形態の駐車場は地主が建築や土地売却などによって解約するケースが多く、年間解約率は10%にも達する。そこで、商業施設と長期で契約し、当社が駐車場管理を行うTPS(タイムズ・パートナー・サービス)を始めた。この仕組みは、解約率が2%と低く、安定した事業になっている。

 3つめは、SPC(特別目的会社)方式によるもの。証券化のスキームを活用した駐車場開発で、当社がいったん土地を購入し、平面で運用したり、駐車場ビルを建設したりする。そして、駐車場をSPCに売却した後、SPCから駐車場を借りて運営するスキームになる。台数は16万台のうちの3000台とまだ少ない。

 駐車場の時間貸事業は、コンビニエンスストアの発展の仕方と似ているところがある。1店舗当たりの品ぞろえは少ないが、長時間営業し、エリアを多店舗化でカバーするという点。しかも、小規模ながら多店舗展開で広がってきたこともだ。調査によると、目的地から100m以上離れると、駐車場を使わない。また、駅前の100台の大型駐車場より、10台の駐車場を10カ所で展開した方が、利便性が高く、安定的に稼働させやすい。

 だが、その一方で管理が難しくなり、駐車場がどこにあるのかを告知する必要がある。駐車場ごとの料金設定も必要だ。

 そこで、駐車場ビジネスは(1)駐車場のスペースとなる地面を押さえること、(2)満車情報および空車情報といった情報網を押さえること、(3)利用者を押さえること、(4)ノウハウの蓄積と活用といった知財を押さえること、の4つが成功のポイントになる。実は、こうしたことにIT活用が威力を発揮する。

運営管理効率化と顧客サービスの充実化を

 当社は、TONIC(トニック=タイムズ・オンライン・ネットワーク&インフォメーション・センター)と呼ぶシステムを導入した。すべての駐車場を常時オンラインで結び、運営管理の効率化、顧客サービスの充実化といった観点から、ITを活用している。

 駐車場情報提供サービスはその1つ。駐車場が満車、空車、混んでいるのかといった情報を、Webページと携帯電話端末、カーナビ会社、地図会社、コンテンツ会社などにリアルタイムで配信。タイムズの駐車場は、幹線道路から一、二本入ったところや、分かりにくいところにある。これを情報配信によって解決し、稼働率を高めるためだ。

 決済にクレジットカードを使えるようにしたり、一部では電子マネーにも対応したりした。独自に発行しているタイムズチケットや、ETCサービスで決済できる駐車場もある。ETCサービスによる決済を採用した駐車場では、利用の際に性別、年齢、メールアドレスを登録した顧客の属性に合わせた情報をダイレクトに送信している。40代男性が入庫したら、近くでコーヒーが100円引きで飲めるとか、20代女性にはここでバーゲンをしているといったようにターゲットを絞った広告を打つ。

 自前のタイムズクラブカードを発行し、ポイント制度も開始した。同カードのデータとの連動により、商業施設の駐車場に来た人が、どこに住んでいるのかを分析し、広告チラシの配布エリアを決定するなど、商業施設の営業支援にもなる。ちなみに個人会員は173万人の規模になった。

 スペースの稼働率も的確に把握できる。一番奥の止めにくいところの稼働率が低い場合には、それを廃止し、駐車場全体を止めやすく改良したり、自動販売機を置いたりといった対応も可能になる。時間帯ごとの料金設定も最適化できる。街は2~3年で大きく変わる。それに合わせて料金を柔軟に変えられるようになったのも、TONICの成果である。

15期連続の増収増益を支えるシステム

 当社の強みは3つある。年間6万台規模で新規駐車場を開拓できる営業力と、機器の故障、不具合を早期に発見して、復旧させる管理体制、そして、それを司る情報システムだ。TONICは、自社開発によるもので、もともと当社には、自分たちでやってみるという風土がある。確かに産みの苦しみはあったが、ITに関するナレッジやノウハウがたまり、自信にもつながっている。

 かつては、粗利率は20%程度であったが、ITを活用した管理体制にしたことで、粗利率は27%に向上した。自分たちで作ったシステムが予想以上に大きく貢献したからでもある。今年10月期見通しの売上高750億円、経常利益140億円を確保できれば、15期連続の増収増益を達成できる。TONICがなければ実現しなかっただろう。