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■中小ソフトハウスの経営者・経営陣の皆様に成長の壁を突破する方法をお話する第11回目は、私が現場支援で活用している、ビジネスモデルの簡単な発想法についてお話させて頂きます。

(長島 淳治=船井総合研究所 戦略コンサルティング部)



ビジネスモデルとは何でしょうか? よく聞く言葉ですが、これを明確に理解して使っている人は意外に少ないように思います。

ビジネスモデルとは、自社が収益を生み出すための仕組みのことです。これがしっかりと作られている会社は、自然と売り上げも利益も向上します。一方、ビジネスモデルがうまく仕組み化できていない会社は、業績不振にあえぐ結果となります。

そこで今回は「簡単! ビジネスモデル発想法」という内容についてお届けします。

自社のビジネスモデルを知っていますか?

まずは自社のビジネスモデルをどれだけご存知でしょうか? ビジネスモデルの構築方法を知る前に大切なことは、自社の収益を生み出すポイント知ることです。

例えば技術者派遣をメインに展開している会社であれば、単純に社員数を増やすことが売り上げのポイントとなります。後はなるべく若手を投入することで、収益率の改善に繋がります。これは人月ビジネスをしている企業に共通するポイントです。

さらに、営業ルートは人脈です。つまり人脈の先細りが売上の限界とイコールの関係となります。そこで、いかにSIerとの接点を保ち続けるかが重要になります。団体に加盟したり、SIerが主催する委員会に出席したりして、営業のポイントを創ります。こうしたことが、人月主体のビジネスにおける収益を生み出すポイントとなります。

ところが、このビジネスモデルにも陰りが見えてきました。技術者派遣の場合、収益を生み出すポイントは、技術者の数とSIerとの接点でした。ところが接点を持っているSIer側の変化、特に偽装請負問題や再々委託禁止に絡んで、取引先の絞り込みが激しくなっています。

また、IT商品の価格下落。これにより技術者一人当たりの単価は、確実に下落傾向にあります。また、社員の精神的な疲れによる離職率の向上、ニュー3Kと呼ばれて採用難の状態・・・。社員数を増やす、確保することも難しくなってきました。

若手の採用やSIerとの協業による収益向上というビジネスモデルでは、これまでのような売り上げや利益を確保することができなくなってきたのです。つまり、収益を生み出すポイントが技術者派遣型のモデルで変化してきているということです。そこで、収益獲得ポイントを変えるビジネスモデルの再構築を検討していく必要があるのです。

ビジネスモデルにある4つの流れ

ビジネスモデルにはそもそも4つの要素があります。「商流」「物流」「金流」「情報流」です。この4つの流れを意識することで、ビジネスの根本的なモデルが一気に変わります。例えば、商売の流れである商流、これを確認してみましょう。

・お客様⇒SIer企業⇒一次請け⇒自社
・お客様⇒自社

二次請けの企業がユーザーと直接取引するようになった場合の変化ですが、これは自社が接している相手が違います。また、この流れを作り出すためのマーケティングプロセスやセールスステップも異なります。単純な構造転換ですが、こうすることで明らかに利潤獲得力が向上することが分かります。

次に物の流れである物流について考えてみましょう。技術者を相手企業に運ぶ物流、これは個人勝手に客先に行ってくれますが、勤怠管理や交通費が経費として必要となります。ところが商品をインターネット経由でダウンロード販売をするという流れに変えると、必要となる仕組みは大きく変わってきます。

このようにビジネスモデルを構成する4つの要素を組み替えるだけで、多様なモデルを発想することができます。

こういう流れを意識して、収益ポイントを修正します。技術者一人の価格ではなく、商品やサービスに対する価格設定に変えてみるとどうなるか、ユーザーへの直接の販路を開拓するとどうなるか、それは収益ポイントとして自社にどれだけのインパクトをもたらす可能性があるのか、それを意識してモデル構築をしていきます。対応する相手が変われば、当然ながら知っておくべき内容も変わってきます。

売り上げ=技術者数×SIerの案件数から、売り上げ=対象顧客×商品・サービス価格とすることで、収益ポイントは明らかに変わってきます。後は、自社に必ず制約条件がありますから、それらを意識して4つの流れを最適化していきます。

儲かっている、または伸びているビジネスモデルには必ず、収益ポイントとシンプルな4つの流れが構成されています。売り上げが下がっている、利益率が下降気味である、そんな時にはまずは収益ポイントを探って下さい。そして、新たな収益ポイントを考え、4つの流れを再構成して下さい。

次回は、いよいよ最終回です。「成長の壁を突破する発想法」についてお話させていただきます。


著者プロフィール
1998年、桃山学院大学経営学部卒業。某大手SIerでの営業を経て、船井総合研究所に入社。以来、年商30億円未満のソフトハウスを専門にコンサルティング活動を行う。「経営者を元気にする」をモットーに経営計画作り、マーケティング支援、組織活性化のため全国を飛び回っている。毎週1回メルマガ『ソフトハウスのための幸福経営論』を発行。無料小冊子『ソフトハウスが元気になる30の法則!』も発刊。