PR
写真●寺嶋 一郎氏 積水化学工業  コーポレート情報システムグループ長
写真●寺嶋 一郎氏 積水化学工業 コーポレート情報システムグループ長
 (写真:柳生 貴也)

 当社はシステム子会社をNTTデータとの共同出資会社にした。それが2006年4月にできたNTTデータセキスイシステムズだ。狙いはシステム子会社との緊張関係を働かせることや、システム外販力を高めるためだ。システム子会社を中途半端な存在のままにしていては、グループのIT化も強力に推進できないと考え、現在の組織形態に移行した。

 こうした機構改革に手応えを感じてはいるが、気を緩めることはできない。新体制に移行して何年も経っていない現段階では、互いに良い関係を築こうと知恵を出し合うだけでいい。これが数年経ち、当社や先方の人員が入れ替わっても、緊張感がなくならないようにしなければならない。ここが今後の課題だ。

 NTTデータセキスイシステムズが当社にとって最有力のパートナーであることに違いはないが、もう子会社ではない。従来とは違って、きっちりと契約を結んでいるし、プロのITベンダーとして高い技術力を求めている。

 もちろんすべてのシステム化案件をNTTデータセキスイシステムズに頼むわけではない。我々システム部門の判断で、得意・不得意分野に応じて、他のITベンダーにシステム開発を依頼することは少なくない。

 既存システムや業務知識については、NTTデータセキスイシステムズが精通している。それだけに外部のITベンダーに期待することは、先進的な技術力である。提案したことをきっちりと実現するスキルを磨いていただきたい。コンサルティング力を強化するためにコンサルタントの育成もいいが、ITベンダーはもっと“技術オタク”と呼ばれるぐらいの専門家に光を当て、登用すべきではないだろうか。

 もう一つITベンダーにお願いしたいことがある。もっと、システム導入後の使いこなし方に関する提案が欲しい。例えばBI(ビジネスインテリジェンス)。グループ経営力の強化のためにBIツールを使ったシステムを作りたいと思うが、経営者や社員が積極的に活用するための仕掛けをどうすればいいのかで悩む。作り方より根付かせ方を知りたいのだが、なかなかいい提案がない。BIツールの機能説明は二の次でいい。

 最近困るのが、利用部門に対して個別最適なソリューションを提案するITベンダーが増えていることだ。利用部門の要望をそのまま聞き入れ、機能過剰なシステムを売り付けようとするケースもある。我々システム部門が全体最適化を図ろうとしているのに、こうした姿勢はいかがなものかと思う。

 ITベンダーに注文ばかり出して、我々システム部門が弱体化しては互いに不幸になるだけだ。やはり技術や製品を目利きする力が衰えないよう、買い手である我々も努力する必要があると思っている。当社の場合はその一環として、電子メールやグループウエアなど情報系システムをオープン・ソース・ソフトウエア(OSS)で自社開発するなど、自ら手を動かすことで一定の技術力を維持しているつもりだ。(談)