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マイクロソフトのSIPサーバー新版「Office Communications Server 2007」が10月にデビューする。日本市場の声を反映した機能改善やIP電話機能の拡充を実施。サードパーティからは専用ハンドセットが提供される。機能面では他社のIP-PBXに及ばないが,小規模なオフィスならまかなえそうだ。

 Office製品との親和性を売りにしてきたIPコミュニケーション製品が,IP電話サーバーに生まれ変わる。マイクロソフトが10月16日の出荷を予定するOffice Communications Server 2007(OCS 2007)は,Live Communications Server(LCS)の後継版。日本のユーザーからのフィードバックを基にプレゼンス機能を改善した。さらにIP電話サーバーとしての機能を加えた。

公開ユーザーの限定が可能に

 プレゼンスの改善は,公開範囲を決められるようになったこと(写真1)。LCSにはプレゼンス情報の公開範囲を制御する機能はなかった。OCS 2007では公開範囲を「チーム」「会社名」「公開用」といった五つのグループから選んで指定できる。「上司は会議中でも携帯電話に連絡できるが,同僚は割り込めないようにする」といった運用が可能になる。「人の邪魔になる行為を嫌うことが多い日本特有のニーズを開発部門にリクエストして搭載した」(マイクロソフト リアルタイムコラボレーション製品マーケティングの越川慎司マネージャ)という。

 IP電話サーバーとしては,時間帯やプレゼンスに応じて電話の着信先を変える機能を追加した(写真2)。9時から20時はクライアントの「Communicator」に着信,それ以外は携帯電話に転送といった単純な着信先変更が可能になった。LCSで転送制御するには,他社製のSIPサーバーやIP-PBXと連携させる必要があった。

写真1●プレゼンスの公開レベルを設定できるようにした   写真2●時間帯などに合わせて着信先を決める機能を追加
写真1●プレゼンスの公開レベルを設定できるようにした
「取り込み中」に「応答する/しない」などのルールから成る五つのポリシーから選択できる。
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  写真2●時間帯などに合わせて着信先を決める機能を追加
Outlookの予定表に基づいた転送ルールの有効/無効化,同時に鳴動させる電話番号の指定などが可能。
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写真3●ハンドセットの試作品
写真3●ハンドセットの試作品
Office Communications Server 2007との同時出荷を予定。インタフェースはUSB。

 マイクロソフトはIP電話サーバーの機能と同時に,OCS対応の電話機(ハンドセット)も提供する(写真3)。独自のVoIPコーデック「RTAudio」をサードパーティにライセンス供与する。

 特徴は,OCS対応電話機およびCommunicator同士で高品質な音声通話を実現できる点。具体的には,広帯域の8kHz音声(12k~32kビット/秒)と狭帯域の4kHz音声(6k~12kビット/秒)を回線の状態に応じて発呼ごとに切り替えるなどして,音声伝送の高品質化と安定化を図る。

 OCS 2007はIP電話サーバーとしての必要条件を満たしつつある。ただ現状では,部門代表番号,パーク保留など日本のオフィスでよく使われる電話機能は不足気味。PBXの代替としては採用しづらい。ユーザーのニーズに応えて電話の機能を充実させるには他社のIP-PBXとの連携が不可欠。NECやシスコなどサードパーティとの提携戦略は継続するという。