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携帯電話の電波表示はなぜ頻繁に変わるの?

(イラスト・アニメーション:岸本ムサシ)

  今回の回答者:
朝倉 弘光
NTTドコモ 無線アクセスネットワーク部
移動無線企画担当部長

 携帯電話では電波の強さをディスプレイに表示するアンテナの本数で表します。街中で携帯電話を持っていて,この表示が安定しなかった経験があるかもしれません。自分は動いていないのに,アンテナの本数が3本から急に0本になったり,またすぐに2本に変わったり。「どうしてだろう」と不思議に思う人もいるでしょう。

 これは電波の特性によって起こる現象です。街中には多くの基地局があり,各基地局がいろいろな方向に複数の電波を出しています。これらの電波は,ビルや地面にぶつかって反射したりして,いろいろな経路を通って端末に届きます。違う経路で届いた電波同士がぶつかると,そのタイミングによって増幅して強まったり打ち消し合って弱まったりします。ビルが密集するところでは電波がぶつかる機会も増えるので,端末が受信する電波の強さは頻繁に変わります。特に電波が弱いときなどは,表示が安定しない場合があります。

 これとは別に,電車などで移動中,アンテナの3本表示が一瞬圏外になり,また3本に戻ることもあります。これは,ユーザーがビルの陰などに移動したときに端末が接続先の電波を一瞬見失ってしまうためです。この場合,再び基地局の電波を捕捉するまでの間,圏外と表示されることがあります。ただ,基地局を捕捉した後は再び安定して電波を受信できますから,アンテナの本数は増えます。

 NTTドコモでは2006年度に,FOMAの基地局の数を従来の約1.5倍に増やしました。その際,電波の衝突なども考慮して,基地局の場所や割り当てるエリアを検討しました。基地局を設置した後も,利用状況に応じて割り当てるエリアを見直したり,基地局のアンテナの角度や指向性を調整したりして,電波状況を改善しています。