PR

提案書の内容を高めるには、「提案思考力」を強化することが重要になる。提案思考力とは、いくつかの軸や視点に基づいて論理的に発想する方法で、そこから受注につながる提案書の作成方法が見えてくる。提案思考力を強化するには普段の情報収集力などが問われる。

 「どんな提案をすれば、お客様は喜んでくれるのでしょうか」「提案活動の勝ちパターンとかセオリーはあるのでしょうか」―。私は今まで多くの方から提案力の強化について相談を受けてきましたし、この連載でも提案書の内容を強化する様々なテクニックについて述べてきました。

 こうしたテクニックとは別に、「ヒアリングの重要性」「提案書の構造」「プレゼンテーションの進め方」なども提案書の内容を高め、受注に結び付けるための大きな要素ですが、ほかにも私が重要だと思うポイントがあります。それは「提案思考力」を強化することです。提案思考力とは耳慣れない言葉ですが、簡単に言えば提案の内容を論理的に考えるための方法で、発想法の一種とも言えるかもしれません。

 お客様に日々、提案活動している営業やエンジニアの皆さんは、自分流のやり方や同僚、先輩のソリューション事例などで提案していると思います。しかし「何となく」といった感じで提案活動を行っている場合も多いのが実情ではないでしょうか。これでは提案の内容に一貫性がなく、受注にも結び付きにくいと思います。そこで提案思考力を高め、論理的かつ柔軟な発想でお客様に最適な提案を示せるようにするのです。提案思考力の視点で提案書を考えれば、書き方も変わってくるでしょう。

4つの「軸」や4つの「視点」で思考する

 提案思考力を強化するには4つの方法があります。例えば「4つの軸で提案内容を見直す」「4つの視点で提案内容を見直す」「普段の情報収集や模倣の重視」「ゼロベースによる思考の重視」です(図1)。

図1●提案力を強化するには、「提案思考力」を身に付ける必要がある
図1●提案力を強化するには、「提案思考力」を身に付ける必要がある
[画像のクリックで拡大表示]

 「何となく」といった状況では論理的に発想できませんし、思考がぶれてしまうでしょう。そこでまずは4つの「軸」を設けることで、発想を支援するのです。4つの軸とは、(1)自分や自社(ソリューションプロバイダ)にとっての強みなど「強みの軸」、(2)システムや業務の規模など「範囲の軸」、(3)システム開発に伴う「時間とコストの軸」、(4)システム開発に対する「実現可能軸」になります。

 「強みの軸」では、何を強みと考えるかは自由です。社員数が多いとか社名が有名などでも構いません。「強みの軸」や「範囲の軸」「時間とコストの軸」などを踏まえた上で「実現可能軸」を考慮すれば、提案したシステムが本当に実現できるかどうかが分かるでしょう。お客様から受注したいあまりに、誇大なシステムを提案することは避けられます。受注したあとになって「できると言った」などと問題になっては意味がありません。

 4つの軸をさらに発展させたのが「4つの視点で提案内容を見直す」ことです。具体的には、(1)数値データを基にしたお客様の「事業の視点」、(2)お客様が今後、取り組む「市場の視点」、(3)お客様の「業務プロセスの視点」、(4)お客様の「運用体制やスキルなどの視点」の4つです。

 例えば、お客様がEC(電子商取引)サイトで新製品の販売を考えているとしましょう。そうした場合、新商品販売の事業規模、市場の動向、ライバルのECサイトはどうかなどを意識し、提案のヒントに結び付けます。ECサイトの構築によって、お客様の業務プロセスが変わる場合は考慮する必要がありますし、ECサイトの運用体制もカバーしなくてはなりません。

 特に最近はインターネットで取引先を結ぶなど周囲まで巻き込んだシステム開発もありますので、取引先の運用体制やスキルまで見ておくことが求められます。せっかく提案したシステムが、取引先の情報リテラシーが低いために失敗するケースも多いと思います。システム化を推進する上での様々な課題も提案書の内容に盛り込んでおけば、お客様の心象は良くなるに違いありません(図2)。

図2●提案とは事実を書くことではなく、お客様に仮説を伝えることである
図2●提案とは事実を書くことではなく、お客様に仮説を伝えることである
[画像のクリックで拡大表示]