PR

提案書の内容を分かりやすくするため、写真やイラストを盛り込む場合は注意が必要である。お客様の企業イメージに合わない写真やイラストを使うと、信頼を得られないからだ。お客様のホームページのデザインなどを参考にして、企業イメージを事前に把握しておく。

 提案書は、お客様とコミュニケーションを深めるためのツールですから、分かりやすくすることが重要です。このため、提案書の中に様々な写真やイラストを盛り込もうとするケースが見られます。鮮やかでかっこいい写真、親しみを誘うイラストなどが効果的に使われている提案書は良いイメージを与えます。お客様との距離感を縮め、商談にもプラスになります。お客様と親密になれば、プロジェクトに対する本音を引き出すこともできますから、システム構築のリスク回避にもつながるでしょう。

 しかし写真やイラストの活用は、非常に難しいと思います。「単に見やすくしたい」といった安易な態度で臨むと必ず失敗するといっても過言ではありません。写真やイラストの活用には、実は細心の注意が必要になるのです。使い方を間違えると、お客様の企業イメージと合わない場合があるからです。「このソリューションプロバイダは、当社を理解していないのでは」と疑問が出るようでは、商談にはむしろマイナスでしょう。

イラストは個人の好き嫌いが激しい

 例えば、格式や伝統を持つ企業への提案書に、マンガのようなイラストを多用するようでは、お客様に良い印象を与えないでしょう。しかし生活者相手のお客様は、逆に面白そうな印象を持つと思います。巨大なビルや大きな会議室、さっそうとした外国人ビジネスマンの写真などは、規模の大きさを示すので大手のお客様は好感するでしょうが、中堅・中小のお客様は「システム規模が大きくなりコストがかかるのでは」と不安になるかもしれません。

図●提案書の中に写真やイラストを盛り込むときは、お客様の企業イメージに合うように注意する
図●提案書の中に写真やイラストを盛り込むときは、お客様の企業イメージに合うように注意する
[画像のクリックで拡大表示]

 イラストの使用は特に注意が必要です。生活者相手のお客様なら良いでしょうが、一般のお客様への提案にはあまり勧めません。イラストは個人の好き嫌いに大きく左右されるからです。たまたまお客様の担当者が嫌いなイラストを使えば、提案書の印象も良くなりません。しかもパソコンソフトに組み込んであるクリップアート集など、だれもが見たことがあるイラストでは、提案内容もありきたりな感じになり、新鮮味が乏しい印象になります。せっかくの提案内容が、イラストの印象だけで古臭い感じになってしまいます。

 提案書で写真やイラストを使うときには、まずお客様の企業イメージを把握することが重要です。打ち合わせなどでお客様のオフィスを訪問した際に、社内の雰囲気や担当者のイメージを覚えておくなど様々なアプローチがありますが、私の場合はお客様のホームページのデザインを見ます。

お客様のホームページで企業イメージをつかむ

 お客様がどんな点にこだわっているかが、ホームページには表れています。保守的で真面目な印象のホームページを立ち上げているなら、企業イメージも固いでしょう。親しみやすく、ホッとするようなホームページなら柔らかい企業イメージになるでしょう。お客様のホームページの印象に合わせて写真を選択すれば、まず間違いありません。

 私の場合、提案書に巨大なビル、大きな会議室、外国人ビジネスマンの写真をよく使いますが、これらは緊張感や規模感、コンサルティング力やソリューション力のイメージを与えます。お客様に対して、大きな期待感を抱かせるのです。しかし生活者相手の企業なら、こうした写真は使いません。

 このほか、提案書の中にお客様の企業ロゴを入れておくと、さらに親近感が出るでしょう。提案書のシステム図にも、メーカーのホームページからサーバーなどの写真をダウンロードして使ったり、画面データを貼り付けると、より具体的な印象を与えるでしょう。

 イラストを使う場合でも、ありきたりのイラストではなく、あまり見たことがない新しいイラストを選択すべきです。私の場合は、せりふを入れた「吹き出し」を写真に組み合わせて使っています。

 吹き出しのせりふも工夫し、例えば生活者相手のお客様なら、消費者の立場で気の利いたコメントを入れています。写真はイラストのように好き嫌いがなく、吹き出しのせりふで面白い印象も与えますから、イラストと同様な効果をもたらすと思います。

串戸 一浩 アイル ソリューション本部長
専門商社で海外向けマーケティング業務を担当。97年4月に中堅ソフト会社に転職し、大手鉄道会社や流通会社などにソリューションを提案、そのうち9割近くを受注。現在、アイルで人材開発ソリューションに注力