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 最後に,パソコンからWebサーバーまでのIPパケットの旅をおさらいしてみよう。「プロトコル・レイヤー」という切り口から,IPパケットの旅を振り返る。

 プロトコル・レイヤーとは,通信を実現するためのプロトコルを機能別に階層化する考え方である。実際に,IPを中心としたインターネット向けのプロトコルは,階層化されている。

 階層の分け方にはいろいろあるが,インターネットでは,下の層から「データリンク層/物理層」,「ネットワーク層」,「トランスポート層」,「アプリケーション層」の5階層に分けるのが一般的だ。

イーサネットとSDHを使い分ける

 では下の層から順に,IPパケットの旅路を見直してみよう(図1)。

図1●プロトコル・レイヤーで見るIPパケットの長い旅路
図1●プロトコル・レイヤーで見るIPパケットの長い旅路
このようにプロトコル・レイヤーでそれぞれの経路を見てみると,IPパケットをきちんとルーティングしているのはプロバイダの部分だけということに気付かされる。 [画像のクリックで拡大表示]

 最も下のデータリンク層/物理層は,IPパケットを運ぶ伝送路として働く。IPパケットの旅を通して振り返ると,イーサネットが使われる場面が多いことに気付く。パソコン,LAN,ホスティング事業者の施設内,そして,プロバイダのネットワークの一部にも使われている。ただし,イーサネットが使われるのは比較的距離が短いところに限られる。

 長距離・高速伝送を要求されるプロバイダのバックボーンには,SDH/SONETが使われているケースが多い。

IPパケットを扱う場面は4カ所だけ

 IPパケットを直接扱う部分は,パソコンとサーバー,ブロードバンド・ルーター,そしてプロバイダのルーターの4カ所になる。

 ルーターは,IPパケットのヘッダー情報を見て,IPパケットをそのままの形で中継するのが基本的な仕事である。一方,パソコンとサーバーは,IPパケットを作ったり,中身を取り出してデータを再生したりする。つまり,IPパケット本体を処理する。

 トランスポート層,アプリケーション層は,Webアクセスに必要な機能を提供する。しかし,IPパケットにとって単にデータ部に詰め込むものに過ぎない。

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 普段,何気なく利用しているインターネットだが,IPパケットが流れていく様子をつぶさに追っていくと,そのしくみに驚かされる。パソコン,LAN,アクセス回線,プロバイダとIX,サーバーのすべてのピースが協調し,正しく動作して初めてインターネットが成り立っているのである。