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 シンクライアントには,すべてにおいて万能な技術/製品がないため,運用フェーズで対処すべき点もある。現場の担当者は,技術や製品の制約事項を知恵と工夫で乗り切っている。

 第3回で紹介した外為どっとコムは,「(4)ネットワーク・ブート」方式を利用する上で,「ウイルス定義ファイルの更新」や「アプリケーションの追加」といった運用作業で壁に直面した。

 ネットワーク・ブート方式を実現するためのミドルウエア「Ardence」は,「定義ファイルの更新やアプリケーションの追加を実行する際に,接続する端末をすべてシャットダウンしなくてはならないという制約があった」(外為どっとコムの大嶋氏)。同社のコールセンターは,2006年1月から24時間体制のサービスを開始したため,「すべての端末の電源を同時に落とさなくてはいけない事態はどうしても避けたかった」(同氏)。

 そこで大嶋氏は,ディスク・イメージを管理するArdenceサーバーの構成を変更することで,この制約を乗り切った(図1)。具体的には,同一構成のディスク・イメージをマスターとサブの二つ作成し,サブのイメージに定義ファイルなどを追加することで,すべての端末の電源を一斉に落とさなくて済むように工夫した。

図1●すべての端末をシャットダウンする制約を運用で回避
図1●すべての端末をシャットダウンする制約を運用で回避
外為どっとコムは,同一のディスク・イメージをマスターとサブの2個用意することで,ウイルス定義ファイルの適用時などに端末を一斉にシャットダウンしなくてはいけない制約を回避した