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KDDI,米インテル,東日本旅客鉄道(JR東日本),京セラ,大和証券グループ本社,三菱東京UFJ銀行の6社は9月18日,モバイルWiMAX事業の企画会社「ワイヤレスブロードバンド企画」に共同で出資すると発表した。KDDI陣営はこの企画会社が主体となって2.5GHz帯の免許取得(特定基地局開設計画の認定)を目指す。

 ワイヤレスブロードバンド企画は32.26%の株式を保有するKDDIを筆頭株主に,米インテル キャピタルとJR東日本,京セラがそれぞれ17.65%,大和証券グループ本社が9.8%,三菱東京UFJ銀行が5%を出資する。資本金は8億5000万円で,社長にはKDDIの田中孝司・取締役執行役員常務が就任した(写真1)。

写真1●各社幹部が一同に会した9月18日の企画会社設立会見
  写真1●各社幹部が一同に会した9月18日の企画会社設立会見
左からワイヤレスブロードバンド企画の田中孝司・代表取締役社長,京セラの中村昇・代表取締役会長,インテルの吉田和正・代表取締役共同社長,KDDIの小野寺正・代表取締役社長兼会長,東日本旅客鉄道(JR東日本)の小縣方樹・ 常務取締役IT・Suica事業本部長,大和証券グループ本社の日比野隆司・取締役兼専務執行役,三菱東京UFJ銀行の亀井信重・常務執行役員営業第二本部長。

 総務省は2.5GHz帯周波数の免許割り当てを「第3世代携帯電話(3G)事業者とグループ会社は対象外」とする方針を打ち出し,既存の3G事業者とそのグループ会社による参入を3分の1未満の出資に制限している。KDDIの小野寺正代表取締役社長兼会長は以前から「3分の1未満の出資でも主導権を取って参入したい」と主張していたが,まさにそれを実現した格好だ。

「3Gとの連携は考えていない」

 企画会社では,データ通信に特化した市場を狙っていく。ノート・パソコン向けを皮切りに,デジタル家電など組み込み端末向けへと順次拡大していく計画だ。「既存の3Gとは違った新たな市場の開拓を考えている。組み込み端末を主な対象としたデータ通信が中心の事業になり,3Gとの連携は考えていない」(ワイヤレスブロードバンド企画の田中社長)とする。KDDIは実証実験では3Gとの連携も対象としていたが,2.5GHz帯を3Gの補完で終わらせたくない総務省の方針をくんで戦略を変えたようだ。

 事業構想の説明では,「通信インフラをMVNO(仮想移動体通信事業者)に積極的に貸し出して市場を拡大していく」,「2008年4月にモバイルWiMAXの商用サービスを開始予定の米スプリント・ネクステルなどとの国際ローミングを実現する」,「日本経済の発展,国際競争力の強化に貢献する」など,総務省に対するアピールが目立った。

 今後の増資額,企画会社の具体的な体制,想定する市場規模,サービス開始時期などは「免許の審査事項に関係する」として明言を避けた。

ソフトバンク陣営にはISP4社が参画

 一方,ソフトバンクとイー・アクセスは9月20日,KDDIと同じモバイルWiMAXによる2.5GHz帯無線ブロードバンドの参入について,戦略的提携を発表した。イー・アクセスとソフトバンクに,ゴールドマン・サックス・グループ,テマセク・ホールディングス(シンガポールの投資会社),NECビッグローブ,ソネットエンタテインメント,ニフティ,フリービットの6社が加わった計8社が,企画会社「オープンワイヤレスネットワーク」に共同で出資し,同社が免許を申請する。

 企画会社の資本金は200億5000万円。各社の出資比率はイー・アクセスとソフトバンクがそれぞれ32.42%,ゴールドマン・サックス・グループが22.44%,テマセク・ホールディングスが11.72%,NECビッグローブ,ソネットエンタテインメント,ニフティ,フリービットがそれぞれ0.25%ずつである。企画会社の代表には,イー・アクセスの千本倖生取締役会長とソフトバンクの孫正義社長の二人が代表権を持つ代表取締役に就任する予定である。

 免許取得後は,企画会社からホールセールを受け,イー・アクセスとソフトバンク,提携したインターネット接続事業者(ISP)4社がそれぞれ,モバイルWiMAXを使った無線サービスを提供する方針だ。