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 パソコンをネットワークにつないだだけで,すぐにWebアクセスやメール送受信ができる─。慣れてしまった私たちは当たり前のように使っているが,よく考えてみるとちょっと不思議だ。ネットワークを使うためにパソコンは,自分の住所に当たるIPアドレスなどの情報がわかっていなければうまく通信できないはず。なぜ何も設定せずに通信できるのだろう?

 実は,パソコンは,ユーザーが気付かない間にネットワーク接続に必要な設定を済ませている。この設定作業をしているのが,今回取り上げるDHCP(dynamic host configuration protocol)というしくみだ。パソコンOSが内蔵するDHCPクライアントというソフトが,設定に必要な情報を自動的に調べて通信できるように設定してくれている。目立たないけど重要な仕事をする「縁の下の力持ち」だ。

 また,DHCPはちょっと変わったしくみを使っている。ネットワークが設定されていない状態でもネットワークを利用して,必要な情報を収集できるようになっているのだ。

考え方としくみを理解しよう

 これから,四つのレッスンに分けてDHCPの考え方としくみを学んでいこう。

 まずLesson1では,DHCPの基本的な役割を理解しよう。DHCPがなければどうなってしまうかを見ながら,DHCPは何のために必要なのかを説明する。

 次のLesson2では,パソコンがDHCPを使って設定情報を取得する手順を知ろう。DHCPは,パソコン内のDHCPクライアントとネットワークにあるDHCPサーバーがメッセージをやりとりすることで動作する。効率よく確実に設定情報を取得するように,このやりとりにはさまざまな工夫がある。一つずつのやりとりについて,意味や必然性まで理解すれば,DHCPの考え方も一緒にわかるだろう。

 Lesson3では,DHCPで扱う設定情報について説明する。DHCPで取得した情報は永遠に有効ではない。有効期間をあらかじめ指定することで,IPアドレスのような限られた資源を効率的に使えるようにしている。とはいえ,なるべく同じ設定を使い続けたり,必要に応じて同じIPアドレスを固定的に割り当てられるようにもなっている。そのしくみも理解しておこう。

 Lesson4では,DHCPのオプションやルーター越え技術を見ていく。IPアドレス以外のさまざまな設定情報を配布できるようになっていることや,大きなネットワークの設定情報を1台で管理できるようにするDHCPリレー・エージェントを紹介する。

 最後の修了テストでは問題を3問用意した。DHCPの基本を確認する選択問題,やりとりの理解度を測る記入問題,DHCPの考え方を問う論述問題─である。選択問題が解けなかったら,Lesson1とLesson2を再確認しておこう。論述問題まで正解できれば,DHCPに関する理解は完璧といっていいだろう。