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写真2 右が筆者、左が共に汗を流す武田経理
写真2 右が筆者、左が共に汗を流す武田経理
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 車載通信機器などを製造・販売するヨコオが、日本での成功体験をもとに中国でトヨタ流改善を始めたのは2006年。その中心人物である多胡 一男氏に、取り組みの詳細をほぼリアルタイムでメルマガに寄稿してもらった。1年前の話ではあるが、現地に改善活動を根づかせるためには何が課題となるのかなど、中国で改善に取り組もうとする企業にとっては大いに参考になるだろう(日経情報ストラテジー編集部)。

多胡 一男
東莞友華汽車配件有限公司(ヨコオの中国法人) OJT-Sプロジェクト 経理担当


 皆さん、こんにちは。今回は、カイゼン活動の概要をお話します。
(原文は2006年8月2日付け日経情報ストラテジー・メール)

 舞台となる東莞友華汽車配件有限公司(以下:友華汽車)では車載通信関連の製品を多数手がけており、6月現在で約1600人が働いています。それらの生産現場に、トヨタ生産方式をベースにヨコオ流にアレンジした「Q(品質)・C(コスト)・D(デリバリー=納期)で卓越した“力”を有するものづくり」を作り上げるための活動です。

 活動の中心となるメンバーは、トヨタ生産方式を学んだ武田くんと私、そして日本にあるヨコオ本社で半年間研修を積んだ友華汽車の陳さん・黄さん・何さん・彭さんの4人の合わせて6人です。最初の6カ月で製品を絞ってモデル職場を作り上げ、その後全職場への展開を2年間で行うという計画でスタートしました。

■カイゼン活動

 AM/FM受信用マイクロアンテナおよび複合アンテナの組立工程12ライン・前工程15ラインです。従業員のほとんどは10代後半から20代前半の女性たちです。

 カイゼン活動の目指すところは、「現場の目線に立って現場を理解する。最終的には全員が自らカイゼンができ、変化に対応できる現場を作り上げること」です。そのために、以下のステップと教育で進めていきます。

  1. 職場診断と5S(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)チェック
  2. 標準時間測定
  3. 標準作業の設定
  4. 能率と生産進ちょく管理
  5. ライン外者(自分のライン作業以外を担当できるように作業員を育成)
  6. 見える化

 管理監督者には、カイゼン活動の考えに基づいて職場を管理する上で必要な知識を中心に「ものづくり」の基本を教えていきます。一般作業者には、「ものづくり」をする上で最低限知っていて守ってほしい事柄を教えていきます。

 改善活動スタート後の感想を、いくつか紹介します。

職場環境について
 昨今はメールでの仕事のやり取りが多くなっていますが、ネットワーク環境が貧弱で時々つながらなくなったり、プリンタへの接続が途切れたりしています。

 電力事情については創業当時からは比べものにならないようですが、時には雷による停電や原因不明な瞬断があります。

中国人気質について
 仕事の範囲や順番などは比較的守っていますが、それ以外は決まりごとについての理解が違うことが多々ある気がします。例えば、出入口のドアに「開けたら閉める」と表示してありますが、ほとんど全開状態です。また、ゴミが落ちていても専門の掃除人がいるため、拾う場面をめったに見ません(これは日本の若い人も同じかな?)。

■生活風景

 ゴキブリが出た!最近の日本でもめったにお目にかからないかなり大きなゴキブリ?を捕獲しました。また、雨季に入っているため、蚊に悩まされる日もあります。ただ、これから暑くなり蚊も出なくなるから、もう少しの辛抱だと仲間たちは言っています。

 それでは今回はこの辺で、次回をお楽しみに!


多胡 一男(たご かずお)
1981年、株式会社ヨコオ(車載通信機器・無線通信機器などの製造・販売)入社。2006年6月より同社中国工場である東莞友華汽車配件有限公司にてOJT-Sプロジェクト 経理担当。ヨコオでは、人事部門にて、人事システム革新テーマ等に取り組む。その後、車載通信機器生産部門責任者に就任。2004年には韓国での合弁会社の製造立ち上げ責任者として駐在。2005年からはOJT-Sプロジェクト(トヨタ生産方式に基づく職場改善・人材育成プロジェクト)に参画し、製造現場のものづくりシステム改善に取り組み、現在同社中国工場への展開で奮闘している。同社のWebサイトはこちら