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 正解は1です。

 今回は,「プロジェクト・タイム・マネジメント」より,スケジュール短縮に関する問題です。

 今回の設問にあるように,プロジェクトのスコープを縮小させることなくスケジュールを短縮することを「スケジュール短縮」と言い,PMBOKでは,「スケジュール作成プロセスのツールと技法」に定義されています。このスケジュール短縮技法には,「クラッシング」と「ファスト・トラッキング」の2つがあります。

◆クラッシング

 定義されたアクティビティに対し,要員などのリソースを追加することで,所要期間を短縮する技法です。例えば,ある作業を1人のメンバーで10日間作業する,と定義したとします。この作業に対し,作業するメンバーを2人にすることで,所用期間を5日間に短縮します(図1)。

図1●クラッシング
図1●クラッシング

 このとき,メンバーの追加などが必要になりますので,必要なコストが増加する可能性があります。従って,この手法をとる際には,増加するコストとその結果得られる効果のバランスを測定したうえで,採用を決定します。

◆ファスト・トラッキング

 定義されたアクティビティの依存関係に着目し,元々,あるアクティビティの終了後に着手すると定義していたアクティビティ(終了ー開始関係)を,前倒しで着手します(図2)。

図2●ファスト・トラッキング
図2●ファスト・トラッキング

 アクティブティの依存関係を見直し,開始ー開始関係や終了ー終了関係として,2つの作業を平行して行うこともあります。結果としては,クリティカルパスが短縮されるので,スケジュール短縮の効果があります。

 ファスト・トラッキングを採用した場合,あるアクティビティの完了を待たずに次のアクティビティに着手しますので,場合によっては手戻りが発生するなどのリスクを考慮する必要があります。

 以上から,正しい選択肢は1のクラッシングとなります。

 選択肢3のベンチマークは,「品質計画プロセスのツールと技法」に定義されており,当該プロジェクトと他のプロジェクトを比較することで改善策などを検討する手法です。

 選択肢4のモンテカルロ法は,スケジュール作成プロセスのツールと技法である「What-Ifシナリオ分析」や,「定量的リスク分析プロセスのツールと技法」である「定量的リスク分析とモデル化の技法」の中で,シミュレーションを行う際に一般的に使用される技法です。PMP対策としては,「シミュレーション=モンテカルロ法」と覚えておくとよいと思います。