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 VSMTを使った移行に当たっては,まず物理マシンから仮想マシンに移行できるかどうかを調査する必要がある。これもVSMTを使って実施する。移行可能である場合は,移行元である物理マシンのハードディスクの内容のイメージをコピーする。そして,コピーしたイメージを仮想ディスクにリストアする。これらの作業は,あらかじめ作成したスクリプトによって行う(図1)。
 それでは以上の手順を追って,詳しく説明する。

図1●VSMTを使ったサーバーの移行の手順
図1●VSMTを使ったサーバーの移行の手順
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仮想マシンへ移行可能か調査する

 まず,物理マシンから仮想マシンに移行が可能であることを調べる。それには,VSMTの「gatherhw.exe」コマンドを使う。

 gatherhw.exeは,VSMTを「Full installation」オプションによってインストールした移行サービス・サーバーの,VSMTをインストールしたフォルダ(通常は「c:\Program Files\Microsoft VSMT」)にある。これを移行元の物理サーバーにコピーし,「/f:」オプションに,収集したデータを保存するXMLファイルのファイル名(ファイル名は任意)を指定して,コマンド・プロンプトで実行する(図2)。

図2●ハードウエア構成情報を収集する
図2●ハードウエア構成情報を収集する

 次に,移行元のマシンのハードウエア構成情報を含んだXMLファイルを,VSMTの「VmScript.exe」コマンドで移行可能かどうか調査する。あらかじめ,XMLファイルを移行サービス・サーバーにコピーし,移行サービス・サーバーのコマンド・プロンプトで実行する(図3)。「VmScript.exe」コマンドには,XMLファイル名を「/hwInfoFile:」オプションに指定し,ハードウエア情報を調べることを示す「/hwValidate」オプションを付けて実行する。その結果,図3のように,「No incompatibilities found. Success.」と表示されれば,仮想マシンへの移行が可能だ。

図3●XMLファイルを「VmScript.exe」コマンドで処理し、ハードウェアを調査する
図3●XMLファイルを「VmScript.exe」コマンドで処理し、ハードウェアを調査する

 移行元のサーバーに最新のService Packやパッチが適用されていると,場合によってはWarning(警告)やERROR(エラー)が表示されることがある。これは,VSMTをインストールしたフォルダ内のPatchesフォルダに,物理マシンに適用したService Packやパッチ・ファイルが存在しないことが原因である可能性が高い。解決するには,Patchesフォルダ内の「Vmpatch.exe」コマンドを,「/s:」オプションにパッチのソース・フォルダ名を指定して実行する。これによって必要なパッチ・ファイルがPatchesフォルダにコピーされる(図4)。

図4●「Vmpacth.exe」コマンドで移行元サーバーからパッチ・ファイルをコピーする
図4●「Vmpacth.exe」コマンドで移行元サーバーからパッチ・ファイルをコピーする

 このとき,コマンドを実行するのは移行サービス・サーバー,パッチのコピー元は移行元の物理マシンと,コンピュータが異なるので,移行元サーバーのCドライブを共有設定するか,管理共有「c$」を使う。なお一般に,パッチ・ファイルは「%WINDIR% \system32」フォルダ(通常Windows Server 2003ならば「C:\WINDOWS\system32」,Windows 2000 Serverなら「C:\WINNT\system32」)にある。

 なお,移行元のサーバーからコピーするのではなく,マイクロソフトのWebサイトから移行サービス・サーバーにパッチをダウンロードして,そのダウンロード・フォルダを「Vmpatch.exe」コマンドの「/s:」オプションに指定しても構わない。

仮想マシン作成スクリプトを作る

 ハードウエアの調査が完了し,移行が可能だと判断されたら,仮想マシンを作成するスクリプトを作る。それには,もう一度「VmScript.exe」コマンドを使う(図5)。指定するオプションは表1の通りだ。

図5●「VmScript.exe」コマンドで仮想マシンを作成するスクリプトを作る
図5●「VmScript.exe」コマンドで仮想マシンを作成するスクリプトを作る

表1●「VmScript.exe」コマンドに指定するオプション
表1●「VmScript.exe」コマンドに指定するオプション
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 このコマンドを実行して,「Success」と表示されれば,VSMTをインストールしたフォルダ内の「P2V」フォルダに,次の仮想マシン生成用スクリプトが作られる。ディスク・イメージ・キャプチャ・スクリプト(ML370_capture.cmd),仮想マシン作成スクリプト(ML370_CreateVM.cmd),イメージ展開スクリプト(ML370_Deploy.cmd)である。各スクリプト名の先頭に付けられた「ML370」は,VmScript.exeの「/name:」オプションに指定した文字列である。なお,Vmpatch.exeによって,移行元サーバーに適用してあるパッチをあらかじめコピーしておいた場合は,P2Vフォルダ内に更新が必要なパッチ・ファイルが一緒に置かれる。

 あとはこれらのスクリプトを,移行サービス・サーバーで順に実行するだけだ。

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