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 無線LANスイッチは主に三つの機能を提供する(図1)。

図1●無線LANスイッチが備える主な機能
図1●無線LANスイッチが備える主な機能
複数のAPや無線端末を一元管理する機能((1),(2),(3))や無線通信を制御する機能((4),(5)),セキュリティ対策機能((6),(7))などを備える製品が多い。APは専用のものを使う
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 第一は,有線LAN経由でAPを一元的に管理する機能である(図1の(1)(2)(3))。無線LANスイッチを使えば,複数のAPに対する設定変更やファームウエアのアップグレードなどを管理ツールで一括処理できる。APの稼働状況をレポートとして出力したり,無線のチャネル設計を支援したりできるツールを用意する製品が多い。

 第二は,無線通信を制御する機能である(図1の(4)(5))。特定の通信に対する帯域を優先的に確保するQoS(Quality of Service)や,特定のAPに通信が集中しないような制御を実現できる。特に無線IP電話では,無線端末の移動に伴ってAPを切り替えるローミング処理や,その切り替え時間を短縮する機能が必須である。無線LANスイッチを使えば,それらが容易にできる。

 第三は,セキュリティ対策機能だ(図1の(6)(7))。すべての製品は不正アクセスを防止するユーザー認証機能や盗聴を防ぐ暗号化機能を備える。不正なAPや無線端末を検知して通信を遮断する機能を備えた製品もある。

処理分担やチャネル設計方式に違い

 無線LANスイッチは,こうした機能を管理対象となるAPと分担して実現する。処理方式は,「分散処理方式」と「集中処理方式」の二つに大別できる(図2)。

図2●無線LANスイッチとAPの処理分担
図2●無線LANスイッチとAPの処理分担
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 分散処理方式では,APの管理やローミング/負荷分散などを無線LANスイッチ側で行い,通信の暗号化/復号化をAP側に任せる。一般消費者向けAPは単体で使えるように暗号化/復号化チップを搭載している。それを発展させた方式といえる。

 これに対して,集中処理方式では,暗号化/復号化処理を含むすべての処理を無線LANスイッチが担当し,APは無線通信におけるアンテナの役割に特化する。AP側のファームウエアのアップグレードが不要といった特徴があり,最近は集中処理方式を採用する製品が増えてきた。

 用途によって調べておきたい機能は,隣接して配置するAPでのチャネルの組み合わせ方である(図3)。一般的な無線LANは,異なるチャネルを使う APを組み合わせる方式を採用している。同じチャネルを利用するAPが並ぶと電波干渉が発生するためだ。この方式の場合,移動中の端末がAPを切り替えるとき,通信が一時的に途切れるハンドオーバーが発生する。そのため,この方式の機器メーカーはハンドオーバーの処理時間を短縮する技術を無線LANスイッチに搭載することで対処している。

図3●チャネルの組み合わせ方
図3●チャネルの組み合わせ方
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 一方,米Meru Networksなど一部のベンダーの製品は,隣接するAPで同一のチャネルを利用できる方式を採用する。「電波出力のタイミングをAP同士が調整し合うので,電波干渉が起きない。すべてのAPで同一のチャネルを使えるため,ハンドオーバーが発生しない」(メルー・ネットワークスシニアシステムエンジニア 中西良夫氏)点が特徴だ。