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 帯域が十分広い場合はオーバーヘッドになって逆効果となるが,「GZIP」や「LZ」などの圧縮アルゴリズムによって送信データ容量を減らす方法も,効果を発揮することがある。

 例えば,Web高速化装置の多くは,HTTP/1.1のレスポンス圧縮をWebサーバーの代わりに実行できる。画像ファイルなどの圧縮率は微々たるものだが,HTMLやXMLといったテキスト形式のデータは,数%程度にまで圧縮されるので,短時間で転送が完了する。最近のWebサーバー・ソフトならばレスポンス圧縮に対応しているが,Webサーバー上で圧縮処理をするとCPU能力を食いつぶす危険がある。そこで,圧縮処理をWeb高速化装置で実行し,Webサーバーの負荷を下げてTCP/IP通信の高速化を図る。

 この方法の弱点は,SSLなどで通信を暗号化してしまうと,パケットに含まれるデータの中身を判別できなくなり,送信データを圧縮できなくなること。この弱点は,前述したキャッシュ技術にも当てはまる。

 しかし最近になり,暗号化したデータを圧縮/キャッシュできる技術開発が進んだ。図1は暗号化データの圧縮の仕組みを示す。サーバー側に設置したPEP上でいったん復号し,送信データを圧縮してから再び暗号化。そのデータを受信するクライアント側のPEPに送信する。クライアント側のPEPは復号し,今度は伸張してから暗号化し,受信先に届ける。PEP上には,本来のサーバー証明書の代わりになる証明書を生成するため,CA(Certificate Authority)の機能が必要になる。

図1●暗号化データは経路上で復号して圧縮する
図1●暗号化データは経路上で復号して圧縮する
SSL(Secure Sockets Layer)などで暗号化されているデータは,そのままでは圧縮対象にできない。経路上でいったん復号する仕組みが必要になる
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 執筆時点ではBlue Coat SystemsのWAN高速化技術「MACH5」のみがこの技術をサポートしているが,2007年には主要なWAN高速化ベンダーが同様の仕組みを実装すると見られる。