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 「女に生まれるのではなく女になる」と論じたシモーヌ・ド・ボーボワール。2006年の夏開通した、セーヌ河の右岸(ミッテラン国立図書館)と左岸(ベルシー)を結ぶ橋は彼女に敬意を表してボーボワール橋。セーヌ河37番目の歩行者専用橋だ。

 オーストリア人、ディトマール・ファイシュティンガー(Dietmar Feichtinger)の設計は透明で柔軟。190メートルの長さの橋に柱はない。岸からのびる金属構造のテンションを利用して空中に浮かぶ緩やかなカーブの太鼓が、上下二重に伸びるユニークなデザインだ。遠くにノートルダム寺院を楽しみながら上から下に移動しつつ散歩やジョギングができる。足元は靴にやさしい樫の板。セーヌ河に4本ある歩行者専用橋の上では遊びがさかんだ。

 ルーブル美術館に近い「芸術橋」では時々テーブル、椅子、ワインと料理を持ちこんで厳かなディナーを楽しむ大人だっている。このカーブが美しいボーボワール橋上ではどんな趣向の遊びが展開するのか楽しみだ。