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 経済産業省と国土交通省は、インドシナ半島における陸路物流の実用化に向け、無線ICタグなどを使った物流実験を開始した。通い容器にICタグを取り付け、輸出入手続きを簡素化する実験に、東芝やヤマハ発動機、三井物産が参加する。

 タイやベトナムには多くの日系企業が生産拠点を設けているが、これまで両国間の物流は、半島の沿岸を巡る海上ルートと高コストな航空ルートしかなかった。このため日本政府はODA(政府開発援助)を通じて、ラオスを経由する陸上ルートの整備を進めてきた。今回は、このルートでの車両走行試験などを行い、実用化を目指す。

 ICタグの実験では東芝は冷蔵庫のコンプレッサなど、ヤマハ発動機はバイク部品、三井物産は紳士衣料を専用の通い容器に載せて運ぶ。通い容器は通常、輸出入のつど、容器自体に関税がかかるが、輸入した容器をそのまま輸出に使った場合は免税措置を受けられる。ただし、これまでは通い容器にIDを振って目視確認などで免税を申請していたため、手間がかかっていた。通い容器にICタグを付けることで、その通関手続きの簡素化を狙う。例えば、三井物産が輸出入する紳士衣料用の通い容器(ラック)は「将来的には年間3万個にも達する。免税措置によるコスト削減効果は高い」(三井物産の御手洗正夫物流本部シニアプロジェクトマネージャー)という。

 経産省はほかに、国内での食品物流の効率化を目指した実験も行う。食品業界で標準化が進みつつある標準クレートにICタグを取り付け、業界全体でクレートを共有化するビジネス・モデルを構築する。