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 テレビ向けにインターネット経由で映像や情報を配信するポータルサービスの間で,使いやすさを追求するためのユーザーインタフェース(UI)の改良が相次いでいる。

 USENが提供しているテレビ向けVOD(ビデオ・オン・デマンド)サービス「ギャオネクスト」では,2007年10月5日にトップページのコンテンツを,テキスト中心から静止画を追加する変更を実施した。サービス開始当初は,映像のジャンル毎に,「映画」や「ドラマ」などのテキストを記したボタンを碁盤の目状に並べただけで,リモコンで簡単に操作できることを重視した構成だった。これに対して新しいUIでは各映像コンテンツから切り出した静止画をアイコンに張り込んだ。かつ,左端におすすめのコンテンツを大きいサイズのアイコンで示し,メリハリのある画面構成とした。これにより,文字を読もうと画面をじっくり見つめなくても,大体どのような映像のジャンルかが分かるようにした。

 松下電器産業やソニーなどが出資するデジタルテレビ向けポータルサイトの「アクトビラ」でも,5月にトップページのデザインを変更した。以前のトップページはおすすめコンテンツの情報を大きなサイズの画像でスライド表示するだけだったが,新デザインではその画像サイズを小さくし,右端に「今日の天気」,「最新ニュース」,「アクトビラからのお知らせ」のヘッドライン一覧を挿入し,情報量を増やした。

 これまでテレビはチャンネルを選択すれば,あとは受動的に放送を楽しむだけだったのに対し,情報・映像配信サービスを利用する場合には,画面内のアイコンやリンクを,能動的に選択する操作が必要となる。

 かといってパソコンのように,ユーザーが常にマウスやキーボードを手にしながら数十センチ先の画面を見つめているわけではない。そのため,ある程度情報量を減らして,数メートル離れた位置からも見やすいメニューで,次に選択できる操作をわかりやすく配置するといった工夫が必要とされている。リモコンで容易に目的の操作を実現することを目指して,各社はユーザーの反応を見ながら日々細かな仕様変更を加えている途上にある。

 最近では,画面デザインの工夫だけでなく,テレビの視聴スタイルとの共通性を意識した仕掛けも重視され始めた。例えば,NTT Comのテレビ用のポータルサイト「DoTV」では,一定時間リモコンの入力がない場合に最新ニュースのスライド表示に切り替わる「スクリーンセイバー機能」を試験的に提供している。このように,何もしなくても画面の構成要素が自動的に動いたり,BGMのような楽曲を再生したりする放送のような受動的に楽しむのに適したサービスの提供に向けて,ほかの事業者も開発を進めているもようだ。

 テレビ向けの情報提供サービスは,まだ一部のユーザーが興味本位で試してみている段階といえる。繰り返し利用する固定ユーザーを獲得し,市場を拡大していくには,使い勝手の向上にまだ開発の余地があるようだ。