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写真●AIR上で動作しているマルチトラック音楽編集ソフトの画面
写真●AIR上で動作しているマルチトラック音楽編集ソフトの画面
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 11月1~2日に開催されたアドビシステムズの「Adobe MAX Japan 2007」と,9月19日に開催されたマイクロソフトの「REMIX07 TOKYO」。いずれもRIA(リッチ・インターネット・アプリケーション)関連の業務に携わる者なら,見逃すことができないカンファレンスだ。筆者が両方に参加して感じたことは,Webからデスクトップへと領地拡大を狙うアドビと,デスクトップからWebへと拡大を狙うマイクロソフトの対決姿勢が一層明確になったこと,その一方で,両社が用意する品ぞろえがますます似てきたことである。

 この対決において両社が核とするのは,クロスプラットフォームのアプリケーション実行環境だ。それぞれ,「AIR」(アドビ)と,「Silverlight」(マイクロソフト)と呼ばれる。

 Adobe MAX Japan 2007の基調講演では,米Adobe Systemsの担当者が,AIRをプラットフォームとして使えば,Webアプリケーション開発者が容易にデスクトップ・アプリケーションを開発できるようになることを再三アピール。併せて,AIR上で動作しているマルチトラック音楽編集ソフト(写真)などのデモを披露して,AIRアプリケーションがWindowsなどで動作する従来のデスクトップ・アプリケーションと比べて,機能や操作性の上で遜色ないことを示した。

 一方,マイクロソフトはREMIX07で,Silverlight上で見られる高画質の動画を披露したり,USENが動画配信サービスにおいてSilverlightを採用する旨を発表した。これは,「70%のWebビデオがFlashで配信されている」(アドビ)とするインターネット上の動画市場への進攻を図ることを明確にしたものだ。

 Webからデスクトップへ,デスクトップからWebへと進行方向は正反対だが,互いの領地への進攻をもくろむ両社が用意している品ぞろえは驚くほど似ている。Adobe MAX Japan 2007でアドビが,マイクロソフトのデザイナ向けRIA構築支援ツール「Expression Blend」に該当するツール「Thermo(開発コード名)」を発表して,それはますます顕著になった感がある()。

表●RIA構築のためにアドビとマイクロソフトが用意するソフト(名前にExpressionを冠するソフトは,マイクロソフトが2007年6月に正式発表したツール群「Expression Studio」の製品)
 実行環境デザイナ向けRIA構築支援ツール開発者向けツールデザイナ向けツールと開発者向けツールで共有するデータWebサイト構築ツールデザイン・ツール
アドビシステムズAIRThermo(開発コード名),FlashFlexMXML(独自拡張XML)DreamweaverPhotoshop,Illustrator
マイクロソフトSilverlightExpression BlendVisual StudioXAML(独自拡張XML)Expression WebExpression Design

 マイクロソフトは9月5日にSilverlightの正式版である「Silverlight 1.0」をリリースし,11月5日にはSilverlightアプリケーション開発機能を備えた次期開発ツール「Visual Studio 2008」の11月中リリースを発表した(関連記事:Microsoft,「Visual Studio 2008」「.NET Framework 3.5」を11月中にリリース)。一方のアドビはAdobe MAX Japan 2007で,現在ベータ版であるAIRの正式版「AIR 1.0」がまもなく完成することを明らかにした。両社の製品がほぼ出そろう2008年には,RIAをめぐる対決はますます熱くなる。