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Forrester Research, Inc.
クリストファー・マインズ シニアVP


 このところ、企業のグリーンITへの取り組みが加速している。

 例えば、米GEは2010年までに15億ドルを環境対策関連の研究開発に費やす、さらには環境関連技術の売り上げを200億ドルまで引き上げるという具体的な目標を盛り込んだ「グリーン・アジェンダ」を表明した。これは、いずれも現在の2倍の水準である。

 トヨタ自動車は、2007年~2011年の第2次5カ年トヨタ環境アクションプランを北米で実行する。これは、自動車のライフサイクルのすべてを対象にする。シティ・グループは、今後10年で炭素削減のプロジェクトに対して500億ドルを投資する。ウォールマートのCEOは、「サステナビリティ360」プログラムを推進する。自社だけでなく、商品提供業者や従業員、さらには顧客に対しても環境問題への取り組みを求めるものである。

 こうした動きを受け、フォレスター・リサーチは、グリーンITにおけるCIO(最高情報責任者)のイニシアチブとIT部門の貢献をまとめてみた。

 まず、グリーンIT実行計画については、以下の4段階のステップで考えてほしい。

 最初のステップは、目標を設定し、実践の優先順位を決めること。グリーンITの動機付けや目標は、業界や企業によってまちまちである。目標が違えば、行動の優先順位や判断も変わってくる。IT部門の責任者へのインタビューによると、グリーンIT導入の目標は「電力消費量すなわち電気代の削減」「IT機器の利用効率の改善」「企業の社会的責任を果たすこと」「グリーンITによる税制優遇」などがあるようだ。

 2番目のステップは、最も優先度が高い目標について、現在の状況を把握し分析すること。ベンダーに最新の高効率の機器を売り込まれると、つい現状の分析を忘れがちになる。しかし、IT部門としては、内部の活動の「たな卸し」や電力消費量の把握、IT部門の役割の定義付けなどをせずに、性急に機器を導入したり、アーキテクチャを変えたりしてはいけない。

 3番目のステップはいよいよ実行に移すことだが、インフラやプロセスを大胆に変更しようと、はやる気持ちを抑える必要がある。成功への近道は、小さく始めることである。社員に対して、成果が分かりやすく、よく見えるような活動を選び、まずは短期間でその効果の周知を図る。

 最後の4番目のステップは、コミュニケーションを図り、社員全員が積極的に参加できる環境を作ることである。行動計画の文書を作り、グリーンITイニシアチブの基準とする。新しい活動を広げるとき、ほかの部署に対してIT部門の意向や進捗状況を伝えるときには、この文書を活用する。

 この一連の過程において、重要なポイントが4点ある。

 第1のポイントは、グリーンIT実行計画の策定と共に、ビジネス・プロセスや測定基準も同時に見直すこと。プロセスや測定基準の変更は、行動の変化につながり、結果として企業が作り出す技術やアーキテクチャを変えることにつながる。ここで考慮すべきことは、要求を明確にすること、組織や個人に適応のための時間を与えること、ITの電力管理のための横断的なチームを構成することなどである。

 第2のポイントは、現存するIT資産を最大限活用すること。要求や既存の環境は組織によって異なるが、IT部門としては要求を定量化すること、現状および将来の要求に見合ったインフラを用意すること、簡略化した状態で実現可能性を実演してみることが必要だ。

 第3のポイントはITアーキテクチャやインフラについても見直すこと。グリーンITの実行で浮いたコストを生かして、不動産の集約や事業統合、分割などに振り向けられる。

 最後のポイントは、IT部門がビジネスにこれまで以上にかかわること。言い換えるなら、ITからBT(ビジネス・テクノロジ)へと移行することである。