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 ブレード・サーバーは,プロセサやチップセット,ディスクなどのサーバー構成要素をブレード形状の小型ボードに集約したハードウエアである。従来のサーバー機と比べると,その集積率の高さゆえ発熱量が高い欠点があり,サーバー室の温度上昇の一因となるケースがあった。いわば,“環境対策の劣等生”だったわけだ。

 しかしここへきて,ブレード・サーバーの省電力化が急速に進み,一躍“優等生”の座に躍り出た。管理のしやすさや,電源やファンを複数のブレードが共有している構造を利用し,単体のサーバーよりも効率的に電力を利用できるようになってきたことが大きい。

写真1●日立製作所のエコロジーブレード「CS510-es」
写真1●日立製作所のエコロジーブレード「CS510-es」
低電圧のクアッドコアXeonや低消費電力DIMMを採用し,約20%消費電力を削減した。
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 「小型のサーバーを個別に導入するよりは,ブレード・サーバーを採用するほうが,消費電力の面でも運用・管理の面でも効率がよい」(日本ヒューレット・パッカード(HP)エンタープライズ ストレージ・サーバ統括本部の木村剛氏)。日本IBMは,同社のラックマウント型サーバー14台と,同等性能の14枚のブレード・サーバーを格納したブレード・システムでは,後者のほうが電気料金が約30%削減できると試算している。

 このような構造上の利点がある上に,ブレード・サーバー単体の省電力化も進んでいる。例えば日立製作所は2007年12月に,低電圧Xeonや低消費電力メモリーを採用したブレード「BS320 esサーバブレード」の販売を開始した(写真1)。処理性能は通常ブレードに劣るものの,消費電力は約25%削減したという。

構造が省電力化に向く

 ブレード・サーバーが省電力化に向くのは,(1)ユニット単位で,複数のブレード・サーバーを一元管理できる,(2)電源やファンなどの部品を共通化することで効率を高めることができる,(3)サーバーの設置位置などを比較的工夫しやすい,などの特徴があるためである(図1)。

図1●ブレード・サーバーは,通常のサーバーよりも電力効率が高い構造になっている
図1●ブレード・サーバーは,通常のサーバーよりも電力効率が高い構造になっている

 また,低廉化が進む単体サーバーよりも,電力効率が高い部品を採用しやすいという特徴もある。冷却用ファンや,電源装置,ディスクなどがそうだ。PCサーバーでは,部品メーカーが複数のサーバー・ベンダーに広く提供する製品の中から,いかに部品を組み合わせて省電力化を実現するかがキモだった。独自に部品を開発すると,その分製品単価が上昇してしまうためだ。

 その点ブレード・サーバーは,価格の安さだけでなく,機能や運用・管理のしやすさなどもユーザーは重視する。ベンダーは自社のブレード・サーバーに適した部品や,独自の機能を組み込んだ部品を独自に開発している。

 冷却ファンを例にとろう。ラックマウント型サーバーの場合,多くは1Uや2Uのスペースに収納できるよう内部を設計し,部品を組み合わせる。しかし,サーバーの厚みに限界がある中では大きなファンを搭載するのは難しく,排熱効率が悪い小型のファンを多く並べるしかない(図2)。

図2●ラックマウント型サーバーは,構造的に排熱しにくい
図2●ラックマウント型サーバーは,構造的に排熱しにくい

 その点,ブレード・サーバーは厚みがあるため,大型のファンを搭載できる。IBMのサーバーは1Uサーバーのサーバーに8個のファンを搭載していたが,ブレード・サーバーなら大型のファン2個ですむ。数が少ない分,消費電力は小さい。