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前回に続き、プロジェクト推進計画を取り上げる。プロジェクト・リーダーは、プロジェクトの運営方針をしっかり固め、自ら工程推進計画を立案し、しかもできるだけ詳細に記述することが重要である。

92日目●まずかかれできる事よりすべき事

 プロジェクトの遂行を少しでもスムーズに進めるために、できないことは後回しにして、できることから手を着けようということはよくあるし、一概に悪いとは言えない。だが、困難でも今やらなければならないことは、万難を排して今やらねばならない。

 やれることだけをやっても、それなりに精神的充足感があるので、より重要な仕事を先送りしてもあまり気にならないことが問題である。今やるべきことを無理にでもやれば、結果的に後での混乱の回避につながるのである。

 例えば、仕様がよく見えない時点からきちんと計画を立てるとか、設計開始と同時にテスト計画を考えるとかは、難しいことではあるが、後で起こりそうな問題点を先回りして気付き、それなりに手を打つことになり、プロジェクトの混乱を避けるために大事なことである。



 
93日目●ぬかりなき下ごしらえがむだ省く

 スムーズな進行のためには準備が肝心だ。ある工程の仕事を遂行するためには、仕事をする前の準備が必ず必要である。その準備が十分にできているかどうかで、その工程が順調に展開できるかどうかが決まってくる。

 例えばテスト工程を考えたとき、テストの前に、何をテストするかのチェック・リストがそろっていることは当然として、テスト・ツールも整備されていなければならないし、テスト・データの準備も必要である。テストの機器もそろえなければならない。1つでもそろわないと、むだな待ちが出てしまい能率が悪くなってしまう。

 こうしたむだを避けるためには、工程を設計するときに、下ごしらえ、つまり準備工程をきちんと考えることである。後で考えればよいと先延ばすと、ついつい準備の漏れが出てしまう。



94日目●組み立てる順序違えば行き詰まる

 システムを作り上げるためには、適切なレベルの要素に分解し、各要素を組み上げた後、順番に接続・統合していかなければならない。この接続・統合順序が工程設計の課題である。入力側から順につないでいくか、出力側からつないでいくのか、中心機能から順に外部へ展開していくかなど、システムごとによく考えなければならない。

 機能については、優先順位の高いものからまとめることは当然として、仮に工程が遅れたとしても、全体としては納期どおりに何とか使えるシステムが実現できるような備えも大事である。

 そして最初に組み立てが始まる部分は、組み立て作業の効率が落ちないように、早めに品質を確保できる前倒し工程を設定するとともに、人材の配置についても配慮したい。



95日目●遅れても客の顔立つ線を引け

 工程進捗が不調の場合、大事なことは、顧客側の責任者の顔が立つだけの機能は何とか納期どおりに動かすことである。そのためにも必要最低限の機能セットは何かよく考え、議論し、これだけは何としてもきちんとまとめられるような戦略を立て、工程設計に反映しておかなければならない。

 部分機能であっても実務に役立つためには一通りの機能がそろう必要がある。できたものを動かせばよいというような安易な計画では、とても部分稼働などはできない。絶対必要な最小機能に絞ったものを第1段階とし、第2段階はあったほうがよい機能群、第3段階はその他機能群、と3段階くらいに分けた稼働計画を考えておきたい。

 段階的にシステムをまとめ上げていくように工程を設計することは、顧客に機能の優先度をしっかり考えてもらうきっかけにもなる。システムの難易度とは関係なく、段階的稼働を前提とした工程設計を是非するようにしたい。