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写真●津田 和之氏 日本航空 ITサービス企画室部長 企画推進担当
写真●津田 和之氏 日本航空 ITサービス企画室部長 企画推進担当
 (写真:的野 弘路)
 

 現在、ライバルに負けまいと営業力向上に向けたシステムを強化している。さらに安全確保の要となる整備システムの全面刷新プロジェクトを進めているところだ。営業強化や安全確保といった分野以外では、避けられないさまざまな制度対応のためシステムを見直している。

 システム部門として悩ましいのは、IT投資の最適化だ。どのプロジェクトを優先させ、どれだけの費用を投じるかについては、決まった答えがない。それにシステム構築費は膨らみやすいものだ。利用部門の要望がぶれて機能要件が増え、予算超過というケースも少なくなかった。

 そうした事態を食い止めるため、システム部門としては、「小さく生んで大きく育てる」の発想で、システム構築プランを立てている。今後もIT投資の最適化を図るため、EA(エンタープライズアーキテクチャ)の概念で、システムの全体最適化を進めていく。ITインフラの在るべき姿を描き、それを確実に実現できるベンダーからの提案は大歓迎だ。

 ご存知の通り、当社は日本IBMと10年間のアウトソーシング契約を結んでいる。利害関係の異なる2社がパートナー関係を築くのは容易ではなく、今まで細かい点を見ればいろいろあったが、現在の関係は良好だ。なあなあの関係にならないよう、経営層やマネジャークラス、現場といった各層で、コストやサービスレベル、提案内容について議論する定期的な機会を数多く設けている。

 もちろん、すべての業務をIBMに任せているわけではなく、多くのベンダーと付き合っている。今後も適材適所で複数のベンダーとの関係を継続していく考えだ。

 ベンダー各社に対する注文は、ソリューションの落とし込み方の提案をしてもらいたいということだ。営業担当者が持ってくるソリューションそのものを悪いとは思わないが、そのソリューションを当社が使うには、何をどうすればいいのか、具体的なイメージが湧かないことも多い。

 すとんと腑に落ちるソリューションがないのには、さまざま理由があるだろう。その一つは、当社の業務に関する知識が今ひとつ足りないからではないか。航空会社の数は限られている。それだけに、ベンダーも航空会社の業務知識を身に付けようとのモチベーションが上がらないのかもしれない。でも、もう少し頑張ってもらいたいものだ。

 最近話題のSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)にしても事情は同じ。研究しているが、まだベストな採用方法やメリットが見えていない。「JALにとって」という観点でアイデアをいただけたらありがたい。

 システム部門としては、システムを作ることだけでなく、運用・保守業務の効率化が重要な仕事だ。ITベンダーはたいてい、システム構築には熱心だが、その後工程への関心は薄い気がする。それではパートナー関係を築くというスローガンに反するのではないか。運用・保守の効率化やサービスレベルの向上に向けた具体策を持ち込むベンダーが増えることを期待している。(談)