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 8回にわたって、日経コンピュータが第2回「企業のIT力」ランキングを作成する際に着目した8つの視点について1つずつ取り上げていく(→100位までの総合ランキングと調査の詳細はこちらの記事を参照)。7回目は、データを早くそろえたり、EA(エンタープライズ・アーキテクチャ)のような中長期にわたるITの更新ロードマップを定めたりといった企業経営に直結する“攻め”の機能について聞いた「稼働しているシステムの機能」を紹介する。8つの設問(調査票から「IT力」の算出に使った質問を抜き出して柱ごとにまとめた「抜粋版」)で聞いたところ、1位は「先進技術を積極的に取り込む企業」(→記事はこちら)に続き、松下電器産業が入った。2位はトヨタ自動車が続く。

「稼働している機能」ランキング

順位 企業名 偏差値
1 松下電器産業 76.69
2 トヨタ自動車 76.20
3 富士ゼロックス 75.47
4 富士フイルム 75.04
5 キヤノン 74.30
5 富士通 74.30
7 ローム 73.50
8 住友電気工業 73.14
9 アサヒビール 71.79
10 シャープ 71.30



第1位 松下電器産業

 松下電器産業が1位になったのは、自社流のEAを定め、実践しているからだ。

 EAである「CITA(コーポレートITアーキテクチャ)」を策定したのは2004年のこと。その中身は、ハードウエアやソフトウエア、アプリケーション構造といった単位でロードマップを決めているだけではない。IT部門主導で、業務プロセスの標準化を進めているのが特徴である。

 同社は、2006年の1年間を費やし、すべてのドメイン(事業部)に共通する業務プロセスを抜き出し、あるべき姿を決めていった。その数は合計で57に上る。現在は、この57の標準プロセスをシステムに実装している最中だ。その際、第5回の「先進技術を積極的に取り込む企業」で紹介したようにSOA(サービス指向アーキテクチャ)の考えを取り入れる。CITAやSOAの導入により、ドメイン間でシステムが重複することを避けることができ、新たな機能を追加するのにかかる時間を短縮していく。


第2位 トヨタ自動車

 2位のトヨタ自動車は、2003年から2006年にかけて全面刷新した部品表データベースと3次元CADシステムの成果がIT力の高さにつながった。これらのシステムは、新車の開発期間を最短で8カ月に短縮し、2007年5月以降に新車を一挙に10種類投入する源泉となっている。部品表データベースは、車がどのような部品で構成されているかを管理するものだ。一方、3次元CADシステムは、車の設計データを扱う。この2つのシステムをグローバルで共有できるようにし、トヨタ自動車を支えている。