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 人は体調(医学的には「生体リズム」という)をうまく取りながら,いつも揺らぎながら暮らしています。揺らぎがあるのが生きている証拠ですから,何事にも揺らぎの中でのメリハリが必要です。

 メリハリとは弓の弦が緩んだり張ったりすることを言います。生活では働く時・休む時,気の張るとき・緩む時が交互にあります。ですから生活のリズムをうまく取って生活すれば,過剰なストレスを防ぎ安眠できるようになるでしょう。それには次のような工夫をしてみて下さい。

(1)ため息を大きくつこう

 疲れたり,仕事で行き詰まったりしたら,ため息を大きくつきましょう。ゆっくり長く息を吐くのです。すると,副交感神経が優位になり,心身の緊張を和らげてくれるのです。

 PCに長時間かかわっていると精神的な失調症状(不眠,不安など)が出てくるものです。これを「テクノストレス」といいます。その一つに,PCに過剰に適応したために生じる「テクノ依存症」があります。PCに没頭しすぎることで現れる失調症状で,PCがないと不安に感じたり,人付き合いを煩わしいと感じるようになる症状が現われてきます。

 予防法は,ため息を大きくつくことです。ストレスを吐き出しましょう。

(2)眼が疲れたら,PCから離れて遠くを見よう

 PCを操作していると眼が疲れませんか。眼が痛い,眼が疲れる,眼がかすむといったことがありませんか。もしそうなら「テクノストレス眼症(VDT症候群)」の疑いがあります。眼の症状だけでなく,肩こり,首,腕,腰の痛みやしびれ,頭痛などの全身症状,不安感,憂うつ感,いらいらするといった精神的症状,女性の場合は生理不順など,様々な症状が加わることもあります。

 テクノストレス眼症の予防には,視力検査をして眼鏡やコンタクトレンズを調節したり,正しい姿勢で見やすい画面で作業できるようにしたりすることが重要です。ただし最も大切なのは,長時間連続して作業をしないこと。PCから時々離れて,遠くの雲などをボーッと見つめましょう。

(3)根を詰めて90分働いたら一休み

 学校での授業時間は何分でしたか? 最長でも120分だったのではないでしょうか。授業や講演を聞いていて100分も経つと,「もういい加減にしてくれよ」「お尻が痛いな」などと思うものです。人が緊張したままでいられる時間は,せいぜい90分です。だから90分くらい根を詰めて働いたら,一休みです。

 人の身体の1日のリズムの基本は,昼間(活動期)と夜間(安静期)が交代するリズムです。更に夜間の睡眠期には深い眠りの時期(これをノンレム期と言います)と浅い睡眠期(レム期)が90分ごとに交代しています。この90分ごとのリズムは,昼間も続いています。昼間は90分働くと,例えていえば車がオーバーヒートするような身体の過熱状態になります。だから身体のエンジンを休ませて冷やす必要があります。そこで約90分働いたら,10分は休んで下さい。

(4)1週間のリズムを意識してしっかり休もう

 仕事をうまくやるには,休みをしっかり取って,身体のリズムを整えることが大事です。人の身体のリズムには,1週間(7日)ごとのリズムがあります。これを保つには,金曜日に少し夜ふかしをして,土曜日には朝寝坊をし,食事をブランチにすることをお勧めします。

 身体のリズムには1週間サイクルだけでなく,3.5日サイクルのものもあります。そのため,どうしても注意力が低くなる日が週に2日あります。月曜日は週の初めなので事故が多く,それから3.5日後の木曜日にも事故が多発します。くれぐれも注意しましょう。

 次回は「要領が良ければ,熟睡できる」というお話をします。

田村 康二(たむら こうじ)
立川メディカルセンター(新潟県・長岡市)常勤顧問 田村 康二氏 医師,医学博士。立川メディカルセンター(新潟県・長岡市)常勤顧問。内科,循環器病,時間医学などが専門で,著書に「生体リズム健康法」(文藝春秋社),「健康安心ノート」(和泉書房)などがある