PR

インターネット接続事業者(ISP)がNTT東西地域会社のNGN(次世代ネットワーク)に接続する際に,新たにコスト負担が発生する可能性が浮上している。既存のフレッツとは別にNGN用の網終端装置を新たに設置する必要があり,NGNの集約用接続装置が現行のフレッツの網終端装置と接続できないからだ。

 NTT東西は,11月15日にISPを対象に,NGNへの接続条件にかかわる説明会を開催した。

 まずNGN展開計画について,商用化を開始する2008年3月時点は東京都,神奈川県,千葉県,埼玉県と大阪府の一部エリアで提供する。2008年度第2四半期から第3四半期にかけて,東京都23区と大阪06エリア,横浜市,川崎市,千葉市,さいたま市へと展開。2008年度中にそのほかの政令指定都市に拡大する計画を示した。

NGN用の網終端装置が別途必要に

 ISPは,11月末までにNTT東西に事前調査を申し込めば,2008年3月の商用サービス開始と同時にNGNに接続できるようになる。ただし説明会に参加したISPからは,NGNに接続するための「網終端装置」と複数の網終端装置を束ねる「集約用接続装置」について,コストの増大を不安視する声が挙がっている。

 ISPがNGNに接続するには,NTT東西からNGN用の網終端装置や集約用接続装置を借りて,NTT東西の局舎に設置する必要がある。ISPは既にフレッツ・サービス用の網終端装置を6年契約で借りている。ここにNGN用の網終端装置などを新しく追加する形になる(図1)。

図1●ISPはフレッツ網とは別にNGN用の網終端装置などを借りる必要がある
図1●ISPはフレッツ網とは別にNGN用の網終端装置などを借りる必要がある
貸借の契約期間は6年契約で,47都道府県でNGN用の網終端装置などを新たに借りるとISPには負担となる。
[画像のクリックで拡大表示]

 ISPの多くは,現行のフレッツ網との接続場所を47都道府県ごとに設けている。新設する装置の貸し出し料金は明らかではないが,NGNの提供エリアが拡大していくと,「県ごとに新たにNGN用装置の借用料が発生し,コストの負担が増えるのではないか」とISPは懸念する。6年契約で借りているフレッツ・サービス用装置の使用料に加えて,NGN用装置の使用料を支払うという“2重投資”になってしまうからだ。

フレッツやNGNの先が見えない

 さらにNGNの集約用接続装置の仕様についても不安が広がっている。この装置がNGNの網終端装置だけしか収容できず,フレッツ用の網終端装置は収容できない仕様になっているという説明があったのだ。

 既に一部のISPは,NGNの集約用接続装置をフレッツにも対応できるようNTT東西に要望している。「NGNの需要が予測できない状態で,今後フレッツのユーザー数が増加することがあれば,NGNの集約用接続装置とは別にフレッツの集約用接続装置が必要になる」(あるISP)という。

 NTT東西は,NGNの提供エリアでは,フレッツではなくNGNにユーザーを収容する方針を示している。ただし既存のフレッツ・ユーザーのNGNへの移行計画やNGNの具体的な普及見通しなどはまだ明確に見えていない。

 こうしたISPの要望に対して,NTT東西は「個別に相談する」と回答するにとどめている。