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 増え続ける一方の環境ラベルを見直すべく、環境省が年内にもガイドラインを公表することが明らかになった。ガイドラインが対象とするのは、「タイプ2」と呼ばれる自己宣言型のラベルだ。

 環境ラベルには、ISO(国際標準化機構)が規定する3つのタイプがある。タイプ1は第三者が認証するラベルで、日本では事実上、「エコマーク」を指す。タイプ3)は、製品の環境性能を定量的に表示するもので、製品のLCA(ライフサイクルアセスメント)データを公開する「エコリーフ」が代表的だ。

 今回、環境省が策定するガイドラインは、企業の自主基準に合致することを表すタイプ2)を対象にしている。タイプ2は、いわゆるマークだけでなく、「環境にやさしい」といったパッケージの文言など企業が発信する環境情報全般を含む。

図●環境ラベルの種類と新ガイドラインのポイント
図●環境ラベルの種類と新ガイドラインのポイント
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 消費者の環境意識の高まりを受けてタイプ2ラベルは急増しており、「その数は数万に上るとする識者もいるほどだ」(環境省)。

 だが、増え過ぎたラベルは、消費者に環境情報を伝えるという目的とは裏腹に混乱を招いている。一般消費者はもちろん、企業の調達担当者からも、「ラベルを見てもより環境に配慮した商品を選べない」という声が出ている。また、表示と実際の環境性能が一致しないケースもある。

 9月には公正取引委員会が景品表示法違反として、通販会社のフェリシモに排除命令を出した。バッグのコーティング剤に塩素系樹脂を使っていたにもかかわらず、環境や安全に配慮して使っていないかのような表示をしたというのが、その理由だ。環境省によれば、「中小企業の中には、LCAの意識がなくリサイクルしていれば環境に配慮した商品だと思い込んでいるケースも見られる」という。

業界自主基準で比較表示を

 そこで環境省では、今年1月からガイドラインの策定に向けた研究会を立ち上げ、検討を重ねてきた。消費者へのアンケートも実施し、10月18日に最終会合を開催した。早ければ年内にもタイプ2に関するガイドラインを公開する見通しだ。

 ガイドラインでは、大きく2つの表示ルールを産業界に求める。第1が、ISOが定める表示規格を守ること。具体的には、ラベルを付ける根拠を科学的に検証し、購入者から求められた場合はデータを提示できるようにしておくことなどだ。
 第2が、他社ラベルと比較できる表示方法に切り替えること。現状のタイプ2の表示方法は、各社各様で同一カテゴリーの製品であっても環境性能を比較するのが難しい。ただ、具体的な表示方法はガイドラインでは規定しない。「環境技術はめまぐるしく進化する。表示方法を国で決めてしまうと新技術の展開を阻害しかねない」(環境省)ためだ。

 環境省がイメージしているのは、洗剤の色落ち表示など、業界や製品カテゴリーごとに自主的に統一している表示方法だ。産業界で自主的なラベルの統合が進み、おのずと数が減るのを期待している。

 産業界からは、他社と比較できる表示方法への切り替えに懸念の声が上がっている。比較表示は、消費者にはプラスだが、企業にとってはプラスに働かないケースも起こりうるからだ。だが、「消費者に環境情報を提供し、選択の目安にする」という環境ラベルの本来の目的を達成するためには、何らかの比較可能な表示が必要なのは明白だ。