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 放送用ビデオカメラを手がける主要3社から,テープレスのシステムが出そろった。2007年11月20~22日に千葉市の幕張メッセで開催された「2007年国際放送機器展」(InterBEE 2007)では,松下電器産業とソニーに続き,池上通信機からフラッシュメモリーに録画する放送用映像制作・編集システムが発表された。2008年春先以降,市場が本格的に立ち上がりそうだ。


 池上通信機のブースでは,東芝と共同開発を進めているテープレス制作システム「GFシリーズ」が展示された。ビデオカメラの「HDS-V10」は「1080i」または「720p」の高精細度映像を,リムーバブルメディアの「GFPAK」に「MPEG-2 Long GOP」形式(50Mb/s)または「MPEG-2 I-FRAME」形式(100Mb/s)で記録する。マスター映像と同時に記録するMPEG-4形式のプロクシ映像を使って,一般のパソコンや遠隔地からネットワーク経由で,撮影内容をプレビューできる。GFPAKはフラッシュメモリーを使った記録媒体で,耐衝撃性や耐震動性に優れている。64Gバイトのパックで最大128分のHDTV(ハイビジョン)映像を記録できる。ケース正面の液晶画面で空き容量を確認できるほか,USBやシリアルATAインターフェースを使ってパソコンに直接接続し,撮影動画を読み出せる。GFPAK対応レコーダーの「GFS-V10」は128Gバイトのフラッシュメモリーを内蔵し,カラーLCDモニターとジョグ・シャトル・ダイアルを備えており,収録しながら,あるいはGFPAKから素材を取り込みながらIN/OUT編集できる。GFシリーズは2008年4月の発売を目標に,開発が進んでいる。

 ソニーは,2007年9月に発表したばかりのXDCAM EX方式に対応したビデオカメラ「PMW-EX1」の実機を展示した。Express CardタイプのSxSメモリーカードに,1080iまたは720pの映像をMPEG-2 Long GOP形式で記録する。高画質のHQモード(35Mp/s)の場合はいわゆるフルハイビジョン(1920×1080)の記録が可能で,SPモード(25Mb/s)では16Gバイトのカードに約70分撮影できる。また,レンズ交換に対応したHDVビデオカメラ「HVR-Z7J」にも注目が集まっていた。業務用ENGレンズが使え,アダプターを使えばソニーのデジタル一眼レフカメラ「αシリーズ」用のレンズも使える。民生用の「HDV1080i」フォーマットのほか,DVCAM方式やDV(SP)方式での記録も可能で,撮影映像の用途に応じて使い分けられる。さらに特徴的なのが付属のメモリレコーディングユニットで,これを使ってテープとコンパクトフラッシュに映像を同時記録できる。

 早くから「P2システム」でメモリー録画の方向性を提案していた松下電器のブースでは,新しいコーデックである「AVC-Intra」に対応したビデオカメラ「AJ-HPX3000G」が人気を集めていた。AVC-Intraは「MPEG-4 AVC/H.264」をベースに,1920×1080ピクセルの解像度で10ビット,4:2:2のサンプリング映像をフレーム内(I-only)圧縮するコーデックである。被写体を選ばず画質が安定し,画質劣化なく圧縮データをストリーム編集できる。カードスロットを5基備え,16Gバイトのカードを5枚差した場合に約80分(100Mb/s)または約160分(50Mb/s)の撮影が可能である。

 このほか仏Thomsonは,サーバー上のHDTV素材をネットワーク編集できるシステム「K2 EDIUS Share」を展示した。また朋栄は,映像や画像,音声の素材にメタデータを付与して管理し,簡易編集から送出,二次利用素材のファイル変換までを一括運用できる管理システム「MediaConcierge」を発表するなどした。このように今年のInterBeeでは,テープレスの番組制作をサポートする環境が整いつつある様子もうかがえた。