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野本 明日香(のもと あすか)
JTBモチベーションズ コンサルタント。日本ヒューレット・パッカードにて,ITコンサルタントとして製造業を中心に,ビジネスプロセスの構築からシステム設計・運用までに携わった後,パッケージ・ベンダーの採用や社員育成に携わる。現在はJTBモチベーションズで,モチベーション・コントロールを軸とした,企業向けのコンサルティングを行っている。モチベーション理論やNLP(神経言語プログラミング)のカウンセリング理論のノウハウを活かし,個人と組織を活性化させるコンサルティング,研修講師,講演などを行っている。メルマガ無料配信中。

 人は目標が明確になっているときにモチベーションが上がりやすい,ということは前回お伝えしたとおりです。今回は,目標を設定してモチベーションを上げるための具体的な方法をご紹介しましょう。

■周囲の人に目標について話す(宣言効果)

 目標を達成するためには,自ら「目標を達成しなくてはならない状況を作り出す」ことが有効なことは,皆さんも経験していることでしょう。外的要因で縛りを設け,強制的にやらざるを得ない状況を作り出すのです。

 身近な例で「掃除」を考えてみましょう。「長年にわたって散らかした部屋をきれいにしたい,でも時間がないし面倒」という人は多いと思います。こんなときに,ホームパーティーを開くことにすれば,強制的に掃除をせざるを得ない状況に自分自身を追い込めます。「部屋をきれいにするためにはどうすればよいか」という発想に切り替わり,最低限友人を呼べる程度には部屋をきれいにするはずです。

 目標を達成しなくてはならない状況を作り出すためには,「目標について人に話をする」のも効果的な方法です。これは「宣言効果」ともいわれます。コーチングの世界では,「目標は紙に書き出したり,人に語ったりすることによって,その目標が自分自身の心の深層にまでインプットされ,その人の中の意識,無意識両方が目標達成をサポートし始める」と言われています。

 目標について人に話をすると,「人に語ったからには」という気持ちが目標実現に向けたモチベーションを高めます。例えば,プロジェクト・マネジャーの社内資格を取得する,という目標を設定したときに,「来年,絶対にプロジェクト・マネジャーの資格を取りますす!」と周囲に宣言して自分自身にプレッシャーをかけることで,自らのモチベーションを高められます。

 また,目標について語ることで,周囲の人からサポートを得やすくなる,というメリットもあります。人に話をするためには,ある程度自分の中で内容が整理できていなくてはなりません。自分がなぜその目標を実現したいのか,それは自分にとってどんな意味があるのか,具体的にどうすれば目標が手に入りそうなのか,といったことが話をしていくことで整理され,目標が自分にとってより明確になるメリットもあります。

 もちろん,人に語ることがモチベーションにつながるどうかは状況や内容によっても変わってきますが,そのような方法もある,ということを知っておいてください。

■中間目標を設定する

 皆さんは目標を設定するときに,どんな時間軸で目標を置いていますか?

 モチベーションは,「目標に近づいたときに高まる」という特性があります。目標に近づくと,その目標を達成したときの達成感や充実感がよりリアルにイメージできるので,モチベーションが上がりやすくなるのです。

 この達成感や充実感をリアルにイメージできる瞬間をどれだけ多く持つか,ということも,モチベーションを向上させる大切なポイントです。つまり,大きな目標を達成する過程で,複数の中間目標を設定すると,モチベーションを高め続けることができるのです(図1)。

図1●中間目標設定の効果
図1●中間目標設定の効果
中間目標を設定することで,モチベーションを高め続けることができる

 目標達成を1年後に設定していたとしたら,目標達成に向けた行動計画を半年単位,3カ月単位,1カ月単位,1週間単位,1日単位・・・というように細分化できるはずです。ぜひ細かく目標を設定し,具体的な行動計画に落としていきましょう。モチベーションが高まるだけでなく,目標の実現性も高まるはずです。

■目標を達成したその先/目標の意味を意識する

 今掲げている目標を達成したら次に何を目指すのか?そこまでを明確にイメージしたほうが,モチベーションは高まります。

 「プロジェクト・マネジャーの社内資格を取得する」という目標があったとしたら,「大規模プロジェクトをマネジメントする」,「その資格のさらに上位の資格取得を目指す」というように,プロジェクト・マネジャー資格を取得した先,何を目指すのかを明確に思い浮かべるのです。

 加えて,その目標は自分にとってどんな意味があるのか?自分の人生にとってどのような位置付けなのか?も明確にします。自分にとっての意味や位置付けをはっきりと意識できていれば,その分モチベーションは高まります。

■自分自身の感情にフォーカスする

 モチベーションの大元は「感情」です。目標達成を想像したときに,どんな感情がわき上がってくるかが,モチベーションのためには最も重要なのです。目標の達成をイメージしたときに,「充実感がある」「ワクワクする」など,自分にとって肯定的な感情がわき上がってくれば,それはあなたにとってモチベーションの上がる目標設定と言えるでしょう。

 つまり,「充実感」や「達成感」「満足感」「ワクワクする」など,自分にとってプラスの感覚・感情が引き起こされる,ということを知ったうえで,目標を設定するということです。

 その目標を思い浮かべるとワクワクするか?もし「ワクワク」しないようであれば改めて,その目標が明確か,自分にとって魅力的か,達成基準が明確か,目標のレベルが適切か,といったことを振り返ってみることをお勧めします(前回参照)。きっと,あなたにとって適切な目標のあり方が見つかると思います。

 次回は思考パターン別モチベーションについてお伝えしていきます。お楽しみに!