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ソニーはどうしたの?

 一方,日本人として不甲斐なくて仕方無いのが,日本メーカーの動きである。噂によれば,ParamountがHD DVD一本化を決めた際にも,Warnerが今回Blu-ray一本化を決めた際にも,巨額の金が動いたそうだ(追記あり)。しかし,どう考えても金の使い方を誤っているとしか思えない。

■追記
Warner Bros.は,「2008 International CES」で行われたBlu-ray disc associationのプレス・カンファレンスにて,このような見方を否定した。 [2008/01/18 13:00]

 特に無念なのはソニーだ。ソニー・コンピュータエンタテインメントの社長(当時)だった久夛良木健氏が「eディストリビューション」をぶち上げて,今Apple TVでできることを全て「Playstation 2」でやると宣言したのは,1999年のことである。PS2では無理だったにしても,Apple TVにできてPLAYSTATION 3にできないことなど,本来は何も無かったはずだ。

 また,パソコンではなく家電を対象とした「レンタル動画配信」も,iTunes Movie Rentalsが最初ではなかった。ソニーもプレイステーション・ポータブル(PSP)向けに「p-tv」という「ダウンロード後7日間だけ再生できる」という,レンタル方式の動画配信サービスを提供していた。

 p-tvは,30分のアニメを1本100円で視聴できたので,筆者は米国への長期出張の際には,このサービスを非常に重宝して使っていた。PSPで動画を見るなら,PSP用の光学ディスク「UMD(Universal Media Disc)」よりも,メモリースティックDuoを使うだけのp-tvの方が電池も長持ちするので,たいそう便利だったのだ。

 しかしp-tvは,2007年夏にサービスが終了してしまった。なぜソニーが「合法的にPSP上で商用動画が見られるサービス」をあっさり諦めたのか不思議でならない。もし映画スタジオを囲い込むために払う金があるのなら,このサービスを延命させて欲しかった。

家電メーカーAppleの恐ろしさ

 残ったのは,Appleの元には全映画スタジオが参集して,他の企業ではそうならなかったという事実だけだ。既に,液晶テレビにつなげる装置としてXbox 360とPLAYSTATION 3にベットして(賭けて)しまった身としては,Microsoftとソニーが全映画スタジオに対して「Appleと同じ条件でやらせて下さい」と土下座してくれるのを祈るばかりだが,果たしてどうなるだろう。

 昨年,2007年1月の「CES 2007」と「Macworld Expo」を取材した後に筆者は,「どこよりも『家電メーカー』として面白かったApple」と書いたが,2008年は「最も恐ろしい家電メーカーはApple」と言うべきだろう。CESとMacworldの勝負は,今年もMacworldの勝ちだった。