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 皆さんは展示会に行ったとき,どんなブースの回り方をするのだろうか。下調べしておいて,面白そうなところに真っ先に行く方もあれば,そこは最後の楽しみに取っておいて,まずは会場を一回りという方もいるだろう。筆者は仕事では前者,プライベートでは後者のパターンになることが多い。

 仕事でIT関連の展示会を回るとき,行動パターンはもう一つある。「人が集まっているブース」に立ち寄ることだ。最近は「アンケートに記入したら抽選で豪華景品が当たります!」というイベントで人だかりというブースも少なくないが,基本的には来場者が今関心を持っている旬なテーマのブースといえる。もちろん何が旬かは年々変わるため,人が集まるテーマも変わっていく。

 ところがここ数年のIT関連の展示会で,筆者の見るところいつも人だかりができている“おなじみ”のテーマがある。それが「ユニファイド・コミュニケーション」なのだ。

デモが立派になるほど現実味が薄れてしまう

 ITpro読者の皆さんなら,ユニファイド・コミュニケーションという言葉を一度ならず耳にしていると思う。ユニファイド・コミュニケーションを一言で説明すると,「電話,メール,インスタント・メッセンジャ(IM),ビデオ会議,Web会議といった複数のコミュニケーション手段をIPにより融合させたシステム」となる。ただ多くの方はユニファイド・コミュニケーションと言われると,展示会などで見たデモンストレーションを思い浮かべるのではないだろうか。確かに,きれいな動画やいい音声による臨場感あふれるビデオ会議や,プレゼンス(在席情報)を活用した電話とメールの的確な使い分けといったデモは見ていて実に面白い。強く印象として残る。それはデモとしては成功といえる。

 でも,ビデオ会議の臨場感が高いほど,プレゼンスを使った連絡の取り方が巧みなほど,ユーザーは現実から乖離(かいり)した印象を持たないだろうか。このようにユニファイド・コミュニケーションはデモが立派になればなるほど現実味が薄れていってしまう恐れがある。実演する側のベンダーからすると,以前と同じデモを繰り返すわけにはいかないから,内容が高度化するのはやむを得ないところ。しかしその結果として,ユーザーがついていけなくなっては元も子もない。

第1ステップのネット統合がカベ?

 ではユーザーはどの段階からついていけなくなっているのだろうか。筆者はユニファイド・コミュニケーション導入の第1ステップである「ネットワーク上でのデータ,音声,映像の統合」から,と見ている。例えばIP電話機を導入しているユーザーにしても,データと音声のネットワークは別々に構築しているというケースはいまだに珍しくない。それはネットワークを統合したときの端末の設定や運用管理が面倒になるからだ。管理者にとってはネットワーク統合によって余計な負荷を背負い込むことは避けたいのだ。

 例えばIP電話機を追加するときを考えてみよう。実際にはLANスイッチの空いているポートにIP電話機をつなぐことになるのだが,どのポートでもいいというわけではない。音声とデータを統合したネットワークではVLAN(バーチャルLAN)と呼ぶ技術を使って,音声パケットとデータ・パケットを論理的に分けるのが一般的。さらにそのポートには音声パケットを優先的に中継処理するQoS(quality of service)が設定されている。つまり,IP電話機をつなぐスイッチのポートは固定されているのだ。これ以外のポートを使うためには,ネットワーク管理者がスイッチのVLANとQoSの設定を改めて行わなければならない。

 日々の運用ではどうだろうか。ネットワークを統合したことで,多種多様なデータが大量に飛び交うことが予想されるため,管理者としてはなるべくトラフィックを抑えたいだろう。そもそも音声や動画はそのままではネットワークで扱うのにデータ量が巨大すぎるので圧縮することが前提となる。そうなれば少しでも圧縮率の高い最新の音声コーデックや動画コーデックを使いたいところ。とはいえ,新旧のコーデックが混在するようなシステムでは,異なるコーデック形式のデータを変換するサーバーが必要となる。本店や支店から成る複数拠点の企業ネットワークでは,このメディア変換サーバーをどこに置くべきかという問題に管理者は頭を悩ますことになる。メディア変換サーバーを本店に置くと,支店内の通信であってもコーデックが異なる場合には本店を経由することになり,WAN回線に余分なトラフィックが流れてしまう。

 また,統合ネットワークでは障害発生時のダメージがことのほか大きい。ネットワーク障害に備えて,コミュニケーション・サーバーの冗長構成を組む必要がある。どうせなら,なるべく人手を介することなく,予備機に切り替わるようにさせたい。特にIMのようなテキスト・ベースの通信は障害の発生に気づきにくい。障害の発生に気づかず,長々と届かないメッセージを書き続けてしまうような事態が起こる。これを避けるためには,予備機への切り替えをハードウエア・レベルだけで行うだけではなく,IMセッションの再ログオンも含めたソフトウエア・レベルで行う必要がある。

ネット機器との連携で設定や運用管理が楽に

 以上のようなケースに直面したとき,やはりネットワーク管理者ががんばるしかないのだろうか。実はそうではない。ユニファイド・コミュニケーション・システムと連携して,その導入設定や運用管理を楽にしてくれるネットワーク機器があるのだ。例えば,IP電話機をつなぐだけで各種設定を自動的に行うLANスイッチ,メディア変換サーバー機能を代行するルーター,ユーザーが障害発生に気がつかないうちに自動回避するロード・バランサ(負荷分散装置)などだ。いずれもユニファイド・コミュニケーションの第1ステップである「ネットワーク上でのデータ,音声,映像の統合」に伴う負荷を軽減してくれるものである。

 日経NETWORKはこうしたネットワーク機器を集めて動態展示する特設ブース「ユニファイド・コミュニケーション(UC)ホットステージ」を,日経BP社が主催するエンタープライズICTの総合イベント「ITpro EXPO 2008」(1月30日~2月1日,東京ビッグサイト)で企画した。UCホットステージは主催者企画「ネットワーク最前線」の一角にある。個別のデモがどのようなものかという紹介記事はすでにアップされているので,興味のある方はそちらを参照していただきたい。

 UCホットステージは,実際にユニファイド・コミュニケーション・システムの導入を検討している方だけでなく,「ユニファイド・コミュニケーションって何?」という方にも役に立つブースになると思っている。ぜひネットワーク最前線のコーナーに足をお運びいただき,最新のユニファイド・コミュニケーション・システムの正体を見てほしい。