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世界における日本の地位低下が指摘されて久しい。BRICsに代表される新興工業国の急激な躍進とは対照的だ。しかし、住商情報システムの阿部康行代表取締役社長は、日本のITサービス産業は顧客企業のビジネス、さらには日本の成長にもっと貢献できることを再認識してほしい、と檄(げき)を飛ばす。日本のITベンダーの真の強みは、顧客と一体となって日本の経済・産業・企業を強くしようという使命感を有していることだと断言する。

住商情報システム 代表取締役社長 阿部 康行 氏
住商情報システム
代表取締役社長
阿部 康行 氏

 住商情報システムは2005年8月に、旧・住商情報システムと住商エレクトロニクスの合併を経て新会社としてスタートした。

 住商情報システムの代表取締役社長である阿部康行氏によると、同社は現在、(1)業種ごとの専門知識をベースにアプリケーション・システムを提供する業務系ソリューション事業、(2)自社開発パッケージ・ソフト「ProActive」を中心としたERPソリューション事業、(3)ITインフラを構築するプラットフォーム・ソリューション事業――という領域に戦略的にシフトして事業展開をしている。

 阿部氏は語る。「企業におけるIT投資の目的には大きく2つあります。1つは業務効率化であり、もう1つが競争力の強化です。これまで多くの場合、競争力強化のためのシステムは独自色を出すために個別に作り込み、業務効率化のためのシステムではデファクトスタンダードといわれる標準化されたパッケージ製品を活用するのが普通でした」。しかし、阿部氏はそれに疑問を投げかける。

 「標準化された技術を最大限に活用して効率化を図ること自体は適切な判断であり、当社も全力でサポートしています。ただ、日本の企業およびITサービス・ベンダーは、標準化システムというと海外製のパッケージ製品をすぐに取り上げるという画一的な傾向があって気がかりでなりません。海外と日本では、社会基盤も文化も大きく違います。その点を十分理解せずに導入しても、期待通りの成果は得られません」(阿部氏)。

 そうした中で同社が提唱してきたのが、日本企業に適したものを上手に組み合わせていく「ベスト・オブ・ブリード」の考え方だ。解決すべき経営課題が複合化・高度化する近年では特に大きな効果をあげている。

 一方、昨今では優秀な人材の供給を背景に、中国やインドなど新興工業国のITサービス産業が頭角を現している。それに焦燥を感じる日本のベンダーも少なくない。だがその点についても阿部氏は待ったをかける。

 「そもそもビジネスの土俵が違います。確かに海外の製品・サービスなどの事情には通じているかもしれませんが、より重要なことは、日本企業における業務ノウハウを踏まえつつ、お客様の語る言葉の行間から真の課題をあぶり出し、ビジネス・モデルを進化させるソリューションを提案することです」と指摘する。

ITサービスを通じて日本の国力向上に資する

 住友商事グループの同社は、世界規模で総合的なITサービスを展開する経験とノウハウ、そして世界各国にあるサービス拠点を生かし、ワンストップで顧客ニーズに応えている。海外進出する日本企業の橋渡し役も数多く演じてきた。阿部氏にも1980年から通算15年半におよぶ豊富な駐米経験がある。

 阿部氏は、「日本のビジネス風土は、米国と比較すると、Googleのようなベンチャー企業が現われにくいかもしれません。ベンチャー企業に対する出資の仕方や取引の姿勢などの点でも米国は独特です。しかし、日本のビジネス作法には日本の良さがあります。同じ物差しで単純には測れません。日本のITサービス産業の強みは、何と言っても顧客とともに日本の経済・産業・企業を強くしていこうという使命感を有していることです。顧客企業と歩むことで、貴重な業務ノウハウに習熟し、それを生かして顧客とともに成長していく。その熱意にかけて当社はどの国のベンダーにも負けないと自負しています」と話す。

日本のITサービス産業の強み
日本のITサービス産業の強み

 日本の商習慣やビジネス文化に精通していることに加え、住商情報システムは世界のITならびにテクノロジ・トレンドを把握するグローバルな視点も備えている。これからのビジネスモデルにはITがますます必須になるだろう。そのためには日本のITサービス産業における人材育成が急務。同社でも社員の育成にかける投資を厚くするなど施策を打っている。「ITエンジニアにはもっと胸を張ってほしい。顧客とともに日本に活力を与えるべき存在なのですから」と阿部氏は語る。

パートナーや顧客とのWin-Winの関係を大切に

 日本のITサービス産業には大きく2つの潮流がある。企画から設計・開発、構築、運用までをトータルに提供するワンストップ・サービス・ソリューションへの流れと、独自の高付加価値の提供に特化したスペシャルビジネスへの流れだ。

 その中で「高品質なITサービスをワンストップで提供すると同時に、独自の“トンガリ”を持つべく、常に新しいことにチャレンジする」(阿部氏)という同社は、両方の分野に目を配る。近年、ビジネスの柱に育ってきたのが、急速な市場拡大が見込まれる仮想化ソリューションだ。オープンソースのXenをベースとし、データセンターにおけるサーバー統合などを積極的に支援しているという。

 現在、ITサービス産業を問わず、市場で勝ち抜くための攻めのM&Aが増加傾向にあり、業界の再編を促している。「企業間の提携ではWin-Winのパートナーシップを構築することが大切です。しかもそれが、お客様とのWin-Winの関係構築に結び付くものでなければなりません」と阿部氏。住商情報システムも各社との合併や提携を通じてビジネス基盤を強化しており、その成果が堅調な業績の推移にうかがえる。

 「日本の活力を高められるように皆様のビジネスを支援するのが、私たち日本のITサービス・ベンダーの果たすべき役割。このまま成長路線を貫きたい」という阿部氏。最後まで熱のこもった語り口だった。