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顧客が話したことは図表を交えて整理し、ノート(中央)にメモする
 相澤次弘は、2007年度に大型案件を次々と獲得。うち2件が同年度の社内表彰に推薦されるなど、社内で今、最も油の乗った営業のひとりである。

 入社3年目に量販店業界向けの営業担当を任され、新人としては異例の大きな取引を経験。4年目には富士通と取引がある百数十社の企業に対して、教育付きでEDI(電子データ交換)を導入する仕事に携わった。順風満帆に成長し、徐々にシステム営業の面白さが分かってきた相澤だったが、その頃に先輩から引き継いだ大手流通業の顧客から、厳しい洗礼を受ける。顧客のことを考えた末の提案を「自社都合だ」と指摘されたのだ。そのことを上司に相談すると、上司からも「本当に顧客の将来を考えた提案なのか、顧客の意図を汲み取ったのか、と鋭く突っ込まれた」(相澤)。それでも素直に自らの営業手法を変えられないでいた。

 そんな相澤に転機が訪れる。「自社都合の提案」と指摘した顧客が、自社で開催する幹部社員向けの研修に相澤を誘ったのである。全7~8回に及んだ研修では、顧客第一主義で有名なホテルチェーンのリッツカールトンをはじめ、経営品質賞を受賞した様々な企業の事例が紹介された。様々な企業の考え方に触れ、相澤は「自分がよかれと思った提案に固執するのではなく、時間の許す限り顧客のことを多面的に考えることが必要だと気付いた」と振り返る。これをきっかけに顧客が本当に求めていることを繰り返し考えるようになったことが、現在の実績につながっていると言う。

 相澤の営業スタイルは、相手が話すことをじっくり聞くオーソドックスなもの。しかしここにも研修で学んだことが生かされている。メモはしても「後でそれを見なくてもいいぐらい、話を真剣に聞くことを実践している」のだ。その結果、日々の営業活動にゆとりがもてるようになってきた。「新しいビジネスをつくっていきたい」。相澤はこれからの展望をこう語る。

=文中敬称略

相澤 次弘(あいざわ つぐひろ)氏
大興電子通信
流通営業統括部 流通第二営業部課長
 静岡大学卒業後、1993年4月大興電子通信入社。東京第一営業部営業二課に配属、東京都中央・千代田地区の中小企業向け新規営業に携わる。入社3年目に量販店業界の担当に異動。入社4年目でEDIに携わるなど、一貫して流通・サービス業を担当する。趣味はサッカー。社内でサッカー部を創設した一人だ。