PR
チェンジビジョン代表の平鍋健児氏(左)と永和システムマネジメント コンサルティングセンター長 天野勝氏(右)
チェンジビジョン代表の平鍋健児氏(左)と永和システムマネジメント コンサルティングセンター長 天野勝氏(右)
[画像のクリックで拡大表示]

 「ソフトウエア開発を変えるのは人」---永和システムマネジメント コンサルティングセンター長の天野勝氏はリーン開発がもたらす影響をこう表現する。天野氏は2008年2月1日,「ITpro EXPO 2008」展示会のメインシアターで「リーン開発はソフトウエア開発をどう変えるか?~最強の組織トヨタに学ぶプロセス改善,チームづくり,人づくりの秘訣~」と題し講演した。

 リーン開発とは,「トヨタ生産方式」をソフトウエア開発に適用した開発方法論。天野氏は,「リーン開発の本質」(メアリー・ポッペンディーク,トム・ポッペンディーク著)の翻訳者。オブジェクト指向を中心とする技術について研究するグループ「オブジェクト倶楽部」の事務局長も務める。

 天野氏は「リーン開発はソフトウエア開発を変えるか」という命題に対し,「変えない」と指摘する。ただし直接的には。ソフトウエア開発を変えるのは人であり,リーン開発は人に視点を与え,人の行動に変化を起こすことによって間接的にソフトウエア開発を変える。

 リーン開発の本質であるリーン思考は7つの原則によって表される。

  • 原則1:ムダをなくす
  • 原則2;品質は,後から高めるのではなくあらかじめ作りこむ
  • 原則3:知識を作り出し,共有する。
  • 原則4:決定を遅らせる。すなわち,最も情報量の多い状態で決定することにより誤った判断を減らす。
  • 原則5:速く提供する。そのことにより原則4が実現できる。
  • 原則6:人を尊重する。部品や機能でなく,人間として遇する。
  • 原則7:部分ではなく,全体を最適化する。

 このリーン思考を身につけることで,例えば,作成,修正,レビューといった工程のボトルネックを突き止め,工程間の不均衡を解消するといったことが自然にできるようになると天野氏は指摘する。

 講演には監修を担当したチェンジビジョン代表の平鍋健児氏も登壇。平鍋氏は「長年,アジャイル開発の普及に携わってきたが,アジャイル開発はプログラマの視点からのみ語られていると見られることが多かった。リーン開発はアジャイル開発を企業戦略の視点から捉えており,経営層がアジャイル開発のメリットを理解することができる」と語った。

 「ムダに気付くのは常に現場であり,現場からの改善がプロセスを進化させる。トップダウンで『プロセスはこうあるべき』と指定するのではなく,現場を信じ,現場が気付き,改善していける組織を作ることがリーン開発」と平鍋氏は指摘した。