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 今,インターネットのバックボーンを流れるトラフィックが急増している。図1は,ISPを相互接続するインターネット・エクスチェンジ(IX)の一つ,日本インターネットエクスチェンジ(JPIX)のトラフィックの推移である。2007年10月には,ついに100Gビット/秒を超えた。

図1●急増するIXのトラフィック
図1●急増するIXのトラフィック
大手商用インターネット・エクスチェンジ(IX)である日本インターネットエクスチェンジ(JPIX)のトラフィック。6年前には10Gビット/秒に満たなかったが,2007年10月には100Gビット/秒を超えた。今後も同じようなペースでトラフィックが増加していくと見られる。
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 このようにインターネットのトラフィックが爆発的に増えている中,バックボーンのインフラに重大なボトルネックが生じている。それはイーサネットだ。LAN技術のイメージが強いイーサネットがバックボーンの構成要素となっていることを意外に思うかもしれない。しかし,イーサネットは今や通信事業者のバックボーンに欠かせない重要な技術となっているのだ。

 現在利用できる最も高速なイーサネット仕様は,伝送速度10Gビット/秒の10Gビット・イーサネットである。トラフィック総量が100Gビット/秒を超えるIXは,10Gビット・イーサネットのリンクを複数束ねてしのいでいる。大手通信事業者も同じ窮状にある。一般ユーザーの目の届かない所で,低料金のブロードバンド定額サービスの前提となっているバックボーン・インフラが脅かされているのだ。

 こうした状況を打開する新しい技術が2010年前後に姿を現す。伝送速度100Gビット/秒の100Gビット・イーサネットである。

 100Gビット・イーサネットは,これまでのイーサネットと全く位置付けが異なる。これまでのイーサネットは,パソコンやサーバーをLANに収容するために作られた仕様である。それに対して,純粋に通信事業者のコア・ネットワークを構成するために開発される技術が100Gビット・イーサネットである。

 サーバーのLANインタフェースに100Gビット/秒という帯域が必要となるのは,10年以上も先のことになりそうだ。このため,次世代イーサネットには,通信事業者向けの100Gビット・イーサネットのほかに,サーバー向けの40Gビット・イーサネットが追加されることになった。

 従来のイーサネットと大きく異なる100Gビット・イーサネットを理解するには,さまざまな角度から見ていく必要がある。そこで今回の特集では,次世代イーサネットのポイントをいくつかのキーワードごとにまとめて解説していく。