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ダレン・ヒューストン氏
(写真:小久保松直)

 「ヒールからベビーフェースへ」。2005年7月、マイクロソフト日本法人の社長に就任したダレン ヒューストン氏の3年間は、こう総括できる。当時の日本法人はプロレスで言えば「悪役(ヒール)」。企業顧客やパートナー企業からはたびたび「傲慢」と批判され、一般消費者のイメージも必ずしも良くなかった。だが、大企業から公共・社会システム分野や中堅中小企業に市場を広げるためにも、来るべきネット・サービス時代に向けて技術者の支援を取り付けるためにもイメージアップは不可欠だった。「善玉(ベビーフェース)」への変身を図るべく、ヒューストン氏は就任早々「Plan-J]と呼ぶ施策を打ち出した。

 Plan-Jでヒューストン氏は「日本における投資の拡大」「企業およびコンシューマーにおける技術革新の促進」「政府機関、教育機関、および産業界とのより深く明確なパートナーシップ 」の3つを公約した。いずれも「顔のない存在から信頼できるパートナーへ」(ヒューストン氏)と日本法人を変身させるための試みだ。

 例えば、これまで空白地域だった四国や北関東などにも支店を展開、「主要顧客には車で2時間以内に到着できる」(ヒューストン氏)など地域重視の姿勢を打ち出した。大学や研究機関、NPO(非営利団体)などとの連携も深め、より日本社会に溶け込む努力を続けた。IT技術者の地位向上運動も率先して繰り広げた。ラグビーのトップリーグを支援するなど、企業市民として活動も強化した。

 一連の取り組みが功を奏したのか、各種調査でマイクロソフト日本法人の企業イメージは軒並み向上した。ホワイトカラーの生産性向上に向けたIT活用の推進や、ゲーム機「XBox360」事業など、いくつか課題は残るものの、ヒューストンが率いた3年間の日本法人には、十分な合格点が付けられる。

 人なつっこい笑顔と振る舞いで、社内外から「ダレン」とファーストネームで呼ばれたヒューストン氏。次の仕事は本社が4月に新設する「コンシューマー&オンライン インターナショナルグループ」担当のコーポレート・バイスプレジデント。携帯電話など「デジタル・ライフスタイル先進国」(ヒューストン氏)である日本での経験を生かして、戦略分野の一般消費者向けオンライン事業の拡大に挑む。