PR

 BSデジタル放送のチャンネル「TwellV」(トゥエルビ)に野球中継が加わることになった。同チャンネルを運営するワールド・ハイビジョン・チャンネル(WHC)は2008年3月28日に,プロ野球・千葉ロッテマリーンズ戦の生中継を開始する。球場(千葉マリンスタジアム)のハイビジョン(HDTV)カメラで撮影した映像を自社の放送センター経由で視聴者に提供する。

 TwellVは2007年12月に放送を開始したチャンネルで,2000年12月に放送を開始した先発のチャンネルに比べると認知度はそれほど高くない。さらにTwellVのリモコンキーIDは第12チャンネルだが,2007年春より前に発売されたBSデジタル放送受信機は,出荷段階で第12チャンネルのボタンとのひも付けがされていないという。このため,一部のBSデジタル放送受信機の保有者は初期設定を変えない限り,ワンタッチで同チャンネルを選局できないという問題もある。このような事情から,TwellVのような後発のチャンネルをザッピングの対象にしていないBSデジタル放送の視聴者は少なくない。WHCはロッテ戦の中継を機に,多くの人に自社チャンネルの視聴習慣を付けてもらうことを狙う。

 ただロッテ戦の中継で,どの程度の新規視聴者を獲得できるかは未知数だ。TwellVの放送対象になる試合はロッテ戦に限られる。一方,CSデジタル放送ではスカイパーフェクト・コミュニケーションズが,プロ野球(セントラル・リーグとパシフィック・リーグ)の全試合を視聴できる番組パックを販売している。2008年シーズンにおけるパ・リーグの放映権を保有するコンテンツホルダーとCSデジタル放送事業者との交渉がまだ終わっていないが,「開幕までに交渉がまとまるだろう」(ある放送関係者)という見方が一般的だ。このためプロ野球の熱心なファンは,前シーズンに引き続きCSデジタル放送で試合中継を楽しむ人が大半とみられる。さらにパソコンを対象にしたプロ野球中継の無料配信サービスが登場しており,テレビ放送以外で目当ての球団の試合を視聴する人が増えつつある。

 このためWHCがロッテ戦をキラーコンテンツにするには同球団の協力を得て,これまでの野球中継では見られなかった映像を流すといった工夫が必要になる。WHCの関係者によると,試合の要所ごとに監督のインタビューを流すといったアイデアが,同球団の関係者から出されているという。仮にこの構想が実現すれば,例えば前イニングの投手交代の意図などを説明する監督の映像を流すといったことが可能になる。球団から最大限の協力を得ることが,WHCが魅力的な野球中継を提供するための最初のハードルになりそうだ。