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 総務省は2008年2月25日,NTT東西地域会社が2007年10月25日に行った次世代ネットワーク(NGN)を使った活用業務の申請について,条件付きで認可した。今回認可したのは,(1)次世代ネットワークを利用したフレッツサービスの県間役務提供・料金設定,(2)次世代ネットワークを利用したIP電話サービスの県間役務提供・料金設定,(3)イーサネットサービスの県間役務提供・料金設定の3案件(東西分合わせて計6案件)である。QoS型のVODサービスや地上デジタル放送のIP再送信サービスは(1)に含まれている。

 今回の認定で総務省は,公正な競争を促進するなどの観点から8つの条件を付けた。NTT東西それぞれは認可の申請にあたり,公正競争を確保するための措置として「ネットワークのオープン化」,「ネットワーク情報の開示」など7つの自主的な対応策を明らかにしていたが,総務省はまだ不十分と判断した格好だ。

 総務省が付けた8つの条件のうち,動画配信および地上デジタル放送のIP再送信に関連するものとしては,「NTTの関係会社とほかのコンテンツ提供事業者やISP事業者とを公平に取り扱うこと」と,「他のISP事業者を経由して配信するコンテンツ提供事業者を公平に扱えるようインターフェースの共通化について検討すること」という2つの条件が含まれている。

 事業者がコンテンツ配信を行う場合には,NTTのネットワークにISP事業者経由で接続(NNI接続)する方法と,直接接続(SNI接続)する方法の2つの形態がある。ISP事業者経由で接続するためのインターフェースであるNNIは,PPP over Etherを用いて提供されるため,SNIと比べて最大転送単位(MTU:Maximum Transmission Unit)値が小さくなり,通信速度が劣る。また,NNIはSNIでは可能なIPv6によるマルチキャスト通信機能が利用できない点も課題という。このため,NTT東西から直接コンテンツ配信サービスの提供を受ける事業者と,NTT東西と接続したISP事業者を経由してコンテンツ配信を行う事業者が不公平になることが懸念されると指摘した。そこで総務省は,現状のインターフェースのままでサービスを開始することは認めながらも,不公平の解消に向けて技術インターフェースなどの共通化といった取り組みをNTT東西に求め,対応状況を注視していく考えを認可方針の中で示した。

 NTT東西は今回のサービス認可の申請にあたって提案した7つの対応策の中で,公正な競争の確保のためにNTT東西が実施する対策について,実施状況,収支状況,利用状況を毎年度総務大臣に報告するとともに公表するとしている。総務省は2007年度から運用を開始した競争セーフガード制度を通じてNTT東西が実施する措置の遵守状況を検証するとともに,検証の結果公正競争が十分確保されないと認められる場合,速やかにNTT法あるいは電気通信事業法に基づく措置を実施する意向だ。