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大杉 隆氏 エーザイ システム企画部担当部長
写真●大杉 隆氏 エーザイ システム企画部担当部長
 (写真:中野 和志)
 

 当社のシステム部門はその名の通り、システム化の企画に専念する。システム開発や運用、保守といった実務の大部分はITベンダーに任せている。

 ITベンダーに期待するのは、我々が考えたアイデアを素早くシステムとして具現化してもらうことだ。そのためには、どんなITを利用するのが得策かなのかを提案してほしい。

 ところが、導入すべき技術や製品はそっちのけで、「できるだけ多くのエンジニアを投入しよう」という考えが透けて見える提案を出すITベンダーが少なくないのだ。ITサービス業界が人月ベースで仕事をすることが多いせいかもしれない。

 我々はエンジニアの頭数をそろえて、巨大なプロジェクトを進めようなどとは思っていない。きつい言い方になるが、スキルレベルの低いエンジニアを大勢、送り込まれても困る。できるだけスキルの高いエンジニアと一緒に仕事をしたいのだ。

 こうした注文をITベンダーに出すだけでは埒が明かない。我々はITベンダー数社と交渉し、ネットワークやデータベースといった分野のスペシャリストを確保している。それでも足りないというのが実情だ。

 今後、手を組みたいと思うITベンダーの条件は、最新技術に詳しいことと、プロジェクトマネジメント能力が高いことの2点だ。二つがそろっていれば最高だが、どちらかが強ければ魅力的だ。

 最新技術を導入したことで、システム構築スピードを高めることができたケースがある。技術力の高いITベンダーに仕事を任せると、経営や利用部門のニーズに合わせて、素早くシステム化を進めることができるものだと実感している。

 技術力の高いITベンダーのエンジニアに対しては、正当な対価を支払っているつもりだ。我々が先方のスキルを正しく評価できなければ、ITベンダーと長期的に良好な関係を築くことはできない。

 ITベンダーの多くが、プロジェクトマネジャーの育成に力を入れていると聞く。ここには手を抜かずに、プロジェクトマネジメント力を備えた人材を少しでも多く育ててもらいたい。

 優れたプロジェクトマネジャーと仕事をすると、舵取りが難しいプロジェクトでも的確な意見を出してもらえる。こんなことがあった。

 当社では毎月最低1回、ITベンダーと議論する場を設けている。その席で、あるプロジェクトマネジャーが「利用部門の要件定義が遅れています。このままではスケジュールを変更せざるを得ません」と言い切ったのだ。

 プロジェクトを円滑に進めるためには、顧客だからといって遠慮せずに意見する。このような人材はとても貴重だ。ユーザー企業とITベンダーの垣根を越えて、お互いがプロジェクトの課題を見つけ出し、すぐさま改善策を打っていく。

 高い技術力やプロジェクトマネジメント力で、我々をリードする。こんなITベンダーと共存共栄を図りたい。(談)