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総務省の「NHKの衛星放送の保有チャンネル数の在り方に関する研究会」の議論が大詰めを迎えた。2011年以降におけるNHKのBS放送のチャンネル数を決めるうえでの論点の整理と,報告書案の方向性についての議論が進んでいる。

 「NHKの提案内容は悪くないが,無条件で受け入れるべきではない」――。総務省の「NHKの衛星放送の保有チャンネル数の在り方に関する研究会」は,2008年2月29日に第6回会合を開催した。今回の会合では,2011年以降におけるNHKのBS放送のチャンネル数を決めるうえでの論点の整理と,報告書案の方向性についての議論が行われた。焦点となったのは,第5回会合でNHK関係者が行った提案を反映させるかどうかだ。NHKの関係者は,「現行のBS放送の3チャンネルを2チャンネルに削減したうえで,すべてをHDTV(ハイビジョン)放送にする」ことを提案していた。

 研究会の事務局である総務省の放送政策課は,第6回会合で報告書案の作成についての「考え方」を提示し,「NHKからの提案は,ただちに合理性を欠くものとまでは言えないのではないか」と指摘した。ただし,「このようなチャンネル構成のBS放送が国民の利益を拡大することについての説明が前提になる」として,NHKは2チャンネルのハイビジョン放送が公共の利益にかなう根拠を提示する必要があるとした。

 研究会の委員もNHKに対して条件を出した。例えば,ある委員は,「公共放送ゆえに2チャンネルというのであれば,NHKは役割をきちんと果たす必要がある」と主張した。具体的には,民放事業者があまり放送しないドキュメンタリー番組や教養番組の制作を得意とする番組制作会社に受注の機会を与えるなど,公共放送の役割を果たすための戦略を見える形にすることが不可欠とした。さらに,「当面は2チャンネルを認めるとしても,状況に応じてチャンネル数を見直せるようにすべき」という意見が,複数の委員から出された。NHKが公共放送としての役割を果たさない場合,チャンネル数を減らせる余地を残そうというわけだ。このように研究会は,NHKが公共放送の役割を果たすことが,2011年以降にBS放送で2チャンネルを保有する必要条件とみなしている。