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 仮想PC型を選択した大和証券が得た効果は,ずばり「全社規模でのCPUリソースの有効活用」だ。

「大和証券」仮想PC型で多様な業務にも対応

 同社システム企画部の山田芳也基盤整備課長上席次長は,「通常のパソコンの場合,端末のCPUパワーは社員が離席している際には有効活用されていない。(リソースを共有する)仮想PC型のシステムを使えば,全社規模でCPUリソースを有効活用できる。トータルで考えれば省電力や環境への配慮といった効果も期待できる」と語る。

 同社がシン・クライアントを導入したそもそもの理由は,災害などでクライアントが保持するデータの消失を防ぐこと,そして情報漏えい対策である。あらゆる社員の日常的な業務環境をシン・クライアント化することを考えた。

 だがそれだけではシン・クライアントの方式を選ぶことはできない。同社はシン・クライアントの要件として,「ユーザーごとに構成の異なる環境を用意できるか」,「利用可能なアプリケーションの種類は豊富か」,「サーバー・リソースの最適な配分は可能か」などの項目を洗い出した。その結果,最も高得点を記録したのが仮想PC型だったのだ。

 方式決定後,同社は2007年2月からシン・クライアントの本格導入を始め,現在約1500台の端末を設置し終えた。将来的には国内117カ所の支店にある約1万台の端末をシン・クライアントに換える計画である。導入規模が大きくなると,シン・クライアントがカバーしなければならない業務は増える。ユーザーごとに個別のデスクトップ環境を構築できる仮想PC型は,多様な環境に対応できるメリットがある。

 当初のもくろみ通り,リソースの有効活用を実現しているシン・クライアントだが,運用していく中で,予期していなかった効果も発見できた。「システムの起動やシャットダウンの時間を節約できる」,「(サーバーに接続できれば)どこでも同じ環境で仕事が可能」などだ。これらから,山田上席次長は「シン・クライアントは,ワークスタイルを変える効果もある」と指摘する。

ヘビーな利用でも他者に影響を与えないブレードPC型

 2006年7月に約200台のブレードPC型のシン・クライアントを導入したコマツが得た効果は,「システム開発者向けに安全で安定したシステム環境」を構築できたことだ。仮想PC型や画面転送型と異なり,利用者ごとにCPUが分かれているブレードPC型だからこそ実現した効果と言える。

「コマツ」開発業務にブレードPC型が合致

 同社がシン・クライアントを導入した目的は,やはり情報漏えい対策。外部企業とのシステム開発プロジェクトが立ち上がり,社内情報を外部からも使えるようにする必要があったからだ。

 同社がブレードPC型を選択したのは,エンドユーザーの業務環境を考慮したため。コマツの関連企業で,実際にシン・クライアントの導入を進めたクオリカ アウトソーシング事業部営業推進部の藤野哲セールスITアーキテクトは「端末の利用者はシステム開発者。自由にツール類をインストールできる環境が必須だった。そのため(ユーザーごとのクライアント環境を構築できる)仮想PC型とブレードPC型を候補にした」と語る。

写真1●コマツが導入した日本ヒューレット・パッカード(HP)のブレードPC
写真1●コマツが導入した日本ヒューレット・パッカード(HP)のブレードPC

 同社は,日立製作所と日本HPのブレードPC型,NECの仮想PC型のシステムを比較する中,「当初はNECの仮想PC型が機能面で最も得点が高かった」(藤野セールスITアークテクト)という。だがコスト的には仮想PC型がブレードPC型よりも1.5倍ほど高い試算となった。トータルのメリットを考え,最終的には日本HPのブレードPC型を選択した(写真1)。

 藤野ITアーキテクトは「今から思うとこの判断は正解だった」と振り返る。同社のケースはシステム開発者向けの導入であり,ユーザーはデータベース・ソフトなどCPUを占有するアプリケーションを頻繁に使う。ブレードPC型ならば,個人に専用のCPUが割り当てられるため,サーバーのリソースを共有する画面転送型や仮想PC型と異なり,他人に影響を与えることがない。安定したシステム運用ができる。