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 P4P(検索連動型広告)とは、あらかじめキーワードを選ぶことでターゲットを絞り、訴求内容に興味を持った対象ユーザーが自発的にアクション(クリック)した場合にのみ費用が発生するプル型広告である。そのため、ターゲットを絞って広告出稿したい場合には、他の広告と比べて費用対効果が非常に高いといえる。

 しかしながら、P4P(検索連動型広告)の隆盛とともに費用対効果に対する考え方も変化したように思う。というのも、ウェブサイト上での購入・お問合せ・資料請求・会員登録といったコンバージョンをした際のCPA(成果獲得単価)にばかり目が向けられ、本来の「広告」という目的からかけ離れた運用をしているケースが多数発生しているからだ。

 ほとんどの方がご存知ではあると思うが、ここであえて「広告」の具体的な定義を思い出してみよう。

「広告」とは、商業上の目的で、商品やサービス、事業などの情報を積極的に世間に広く宣伝すること。また、そのための文書や放送などを言う。(小学館発行『大辞泉』より)

 よって、P4P(検索連動型広告)は広告である以上、訴求内容に興味のあるユーザーをいかに多くウェブサイトに呼び込むかが一番の目的だ。広く知ってもらうことに意味がある。そのため、コンバージョン数やCPA(成果獲得単価)という数値が先行しているとしたら、それは広告の定義に反する。

 しかし実態は、CPA(成果獲得単価)の高いキーワードは出稿しない、露出を低下させるといったコスト削減処置をとって広く認知される機会を制限していることがある。あるいは、コンバージョンの取れるキーワードやCPA(成果獲得単価)の安いキーワードだけ積極出稿し、認知される領域を狭めるという手法が浸透している。こうした展開は、ユーザーを広げる可能性を失い、P4P(検索連動型広告)の運用そのものに限界を与えることになりかねない。

 もちろん、購入・お問合せ・資料請求・会員登録といったコンバージョンをいかに効率よく、無駄遣いせずに沢山増やすか。それを考えることはプロモーションにおいて重要だ。しかし、プロモーションの実施は決してP4P(検索連動型広告)だけにフォーカスするものではない。その他のネット広告、マスメディアとの連動であったり、受け皿となるウェブサイトのユーザビリティ、コンテンツのクオリティ、SEO等々、必要な要素を組み合わせ、様々な視点でプランニングすることが重要だ。そして、それらが一貫性をもち、うまく機能してこそ費用対効果の高い、数の稼げる成果が生まれるものである。従って、P4P(検索連動型広告)でCPA(成果獲得単価)を計算することは可能だが、それは必ずしも全プロモーションの実態を反映しているとは限らない。

 以上のことから、費用対効果という物差しでP4P(検索連動型広告)を計ることは出来ないのである。

 では、費用対効果を高めるために重要なことは何なのか。

 それは、プロモーションにかけた全体の予算に対しての目標CPA(成果獲得単価)・コンバージョン数と実際のCPA(成果獲得単価)・コンバージョン数を把握することであり、その上で対策を考えることだ。各プロモーションの組み合わせ方、予算の増減・配分の見直し、新規の追加・既存の停止といったフェーズに落とし込んで考えることで本来持つプロモーションの効果を最大限に発揮できる方法が見つかるはずである。

(執筆:チケットグループ 渡辺 明)




 本コラムは、アウンコンサルティングのサイト 「(((SEM-ch))) 検索エンジンマーケティング情報チャンネル」に連載中の「SEM特撰コラム」を再録したものです。同サイトでは、SEOや検索連動型広告など検索エンジンマーケティング(SEM)に関する詳しい情報を掲載しています。