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日系企業をサポートするITベンダーも、相次ぎ中国に進出している。今後日系企業が情報システムに力を入れビジネスを拡大するには、日系ベンダーの支援は不可欠。しかし、広大な国土や数々の規制が厚い壁になっている。

 中国進出する日系企業の情報システムに力を入れ始めた動きを受け、ITベンダーも中国でのビジネスに力を入れ始めている。NEC、日立製作所、富士通など、大手日系企業の進出を支援してきたベンダーはもちろん、大塚商会や日立情報システムズといった中堅・中小企業をターゲットにするベンダーも製品販売やサービスを開始した(表3)。いずれも、現地のベンダーとの提携や、現地で日本語を話せるエンジニアを大量に採用することで、“中国価格”を実現しようとしている。

表3●主なSIベンダーの中国進出企業に向けたサービス
表3●主なSIベンダーの中国進出企業に向けたサービス

パッケージの利用が主流

 ベンダー各社の軸になっているのは、ERPパッケージの導入サービスである。「スクラッチで開発するケースはほとんどない。安く早くを重視する企業が多い」(NEC信息系統(中国)公司の中丸信和副総裁)。「パッケージに不慣れな企業でも、まず中国でパッケージを使って実績を作ろうとする」(日立信息系統(上海)公司の山中大三郎董事長)。日本のように、業務プロセスに合わせてシステムを開発するよりも、システムに業務プロセスを合わせる。業務の手間が増えても、システム化による効率化、精度向上のほうが効果が大きい、という判断だ。

 「GLOVIA」や「EXPLANNER」といった日本製ERPパッケージは、言語はもちろん、現地の通貨や商習慣への対応が難しく、生産管理など世界共通の業務しか導入されていない。予告なしに税制が変わったり、正月休みが直前に決まったりする中国特有の事情に、対応しきれていない。用友ソフトなど地元ベンダーの製品と連携させるなどして“現地化”しているのが実情だ。

中国でもグローバル価格

 ユーザー企業が中国で思い切ったシステム投資をためらう一番の理由は、日中の一般物価が大きく違うのにもかかわらず、それに見合った費用でシステムを構築できないことだ。パッケージソフトやサーバー機器の価格は、中国でも日本などの諸外国とあまり変わらない。特にIBMやHPといったグローバル・ベンダーは、「グローバルで均一のサービス、均一の製品をほぼ同じ値段で提供するようにしている」(IBMアジア・パシフィック・サービスの福田幸夫エグゼグティブ)。ユーザー企業には、「リスト・プライスはむしろ日本より高く、1.5倍くらいのケースもある。大幅な値引きが前提だからだろう」(リコーIT/S本部の室由紀夫シニアマネジメント)との声もある。

 人件費に関しても、「現地価格」というほどのインパクトを出すのが難しくなりつつある。北京や上海における人件費が徐々に高騰しているためだ。