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今回はプロジェクト編成の諸問題を取り上げる。適材を適所に配置することが基本だが、問題点の顕在化やメンバー育成の観点から、大胆な配置を考えることも必要である。

253日目●体制が整うころに仕事なし

 SE部門の部課長にプロジェクト推進の問題点を挙げてもらうと、ほとんどは「体制が不十分」と言う。事実その通りだろうが、体制が十分そろっていたことは過去にもほとんどなかったし、そろっていたのは、仕事の端境期とか不況時期だけである。事業が伸びているときに、プロジェクトの体制が十分ということはあり得ない。「不十分とはありがたいことだ」と思ったほうが前向きであろう。

 筆者は部長時代に2~3カ月の間、人が余った経験がある。ある課長からは、「5人空きました。どこかで使ってください。ただし2カ月後には別の仕事が出てきますから戻してください」といった話をよく聞かされ、空き要員の割り当てと仕事探しに苦戦したものだ。まるで職業安定所に勤務しているような気にもなり、決して幸せではなかった。体制が整わないときこそ、やりがいがあると考え対策を考えてほしい。



254日目●早すぎる人の配置で無駄多し

 必要なときに必要な要員が集まらず苦労することが多いが、早すぎる要員配備も問題が多い。せっかくだから遊ばせてはもったいないと、サブシステム単位に新人を配置してしまうと、受け入れ態勢ができていないリーダーは、新人の面倒を見る暇はないし、逆に新人の面倒に追われ、先行して取り組むべき基本設計が疎かになりかねない。

 むしろ受け入れ態勢が整うまでは、新人を1カ所に集め、誰かが教育に当たったほうが全体の効率向上につながるだろう。要員確保がプロジェクトEリーダーの思うようにはならないのも事実だが、早すぎるよりも、どちらかといえば遅れ気味の要員確保のほうが、むだがなくマネジメントも楽になる。

 また「人は失業を恐れる」と言われるように、人数が多すぎると全員が仕事をスローダウンする傾向があるということも認識しておきたい。



255日目●オンライン偏重配置怪我の元

 目立たないが基幹のところにこそ優れた人材を配置すべきである。

 どうしてもオンライン処理のようなシステムの中心で一番目立つところ、事故が起こると騒がれやすいところに優秀な人材を厚く配置する傾向があるので、配置案ができたら一度冷静にその妥当性を見直したい。

 特に基幹となるDB関連のソフトの開発には、最も優秀な人材を1~2人は割り当てておきたい。何と言ってもシステム全体に影響するのはDBである。早くしっかりと仕様を固め、きっちりと動かす必要があるだけに、よく考え、広く物を見る能力のある者、経験のある者に担当させるべきだ。オンライン処理は当然として、ほとんどの処理は中核DBに絡むからである。



256日目●新人は目立つ所でよく監視

 大事なところはベテラン、新人はサブルーチンなど端の部分をやらせるというのが一般的であるが、端の部分はなかなか問題点が表面化しないことが欠点である。逆に新人には、表通りの目立つところ、例えばオンライン処理のような部分を担当させたほうがよい。そうすれば、上司は不安に思い、ついこまめにチェックしようとするので、すぐに遅れや問題点に気が付き、早く手が打て、問題点の早期解決につながっていく。

 管理の要点は、問題点の対策よりも問題点の“早期発見”、“顕在化”にある。しかも、努力して早期発見に努めるよりも「いやでも問題点が勝手に顕在化する仕掛け」にしておいたほうが管理者にとって都合がよいはずだ。