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今回はチームワークや連携の重要性について取り上げる。大規模システムの開発では大勢のメンバーが参加するため、プロジェクト・リーダーの先導の下、しっかりしたチームワークが不可欠だ。

267日目●信頼と尊敬が生むチームワーク

 プロジェクトが成功するためには、まずリーダーとメンバーの間にいいチームワークが成立する必要がある。そしてリーダーには、プロジェクトの方針を部下に分かりやすく説明する、先頭に立ってプロジェクトを引っ張る、部下とともに汗をかく、など多くのことが要求される。

 だが、何より大事なことは、部下から人間的に尊敬されることであり、部下を信頼して仕事を任せることであり、そして任せられる仕事を割り当てることである。不幸にも任せた仕事がうまくいかなければ、一緒に考えたり手を貸したりしなければならない。

 尊敬されるリーダーなら、部下は苦しくてもついてくるし、リーダーが信頼する部下は、少々無理があっても信頼を裏切らぬよう必死に努力するだろう。何よりも、信頼されているという誇りを感じて仕事ができるはずである。



268日目●お互いの弱み補うチームワーク

 プロジェクトに参画するメンバーそれぞれは、優れた点と同時に弱点も持っている。仮に、何の弱点もないメンバーだけがそろったら、かえってチームワークが崩れてしまうだろう。

 各メンバーが互いの強みを発揮できるチームを構築することは、プロジェクト・リーダーの大事な役目だが、メンバー同士が互いに強み・弱みを理解し合い、相補うよう動けることがもっと大事である。さらに部下もリーダーの弱点を補う行動を取るような関係が、チームワークとして望ましい姿だ。

 筆者もサブリーダーのころ、抜群の実力者ではあるが少々詰めが甘いと感じた上司と仕事をするときは、漏れがないよう細心の注意を払おうとした。逆に、がっちりと脇の固い上司との仕事では、あえて自由な発想で仕事をしようとしたものだ。



269日目●責任を超えてチームの守備もせよ

 プロジェクト・メンバーは、リーダーが決めたタスクを、責任を持って遂行することを要求されるし、それを遂行できれば義務を果たしたことになる。しかし、プロジェクトの進行過程で、想定外の問題や作業が出てきたとき、「自分には関係がない」「リーダーから何も指示されていない」などと、だれも対策に乗り出さなくなるとプロジェクトは行き詰まってしまう。

 近年、成果主義が普及したこともあり、自分に関係なければ何もしない雰囲気があると指摘する人も多い。問題点に気付いたら、自分ができるレベルのことは、責任範囲を超えて手を出すべきだし、自分だけでは無理だと思うなら、リーダーにすぐにアラームを出すべきだ。全員が常にチームのことを考え、チームのために責任範囲を超えて、発言・行動することが肝要である。



270日目●忠誠は俺にではなく目的に

 初代の南極越冬隊長である西堀栄三郎氏は、『日本人の創造性』(西堀栄三郎・小松左京・中原勲平著、産業能率短大出版部)のなかで、「創造性ある組織を構成するためには、チーム全員が、人にではなく共同の目的に忠誠を誓うこと、共同の目的を果たすために必要性を感じた人はだれでもいつでも自分の責任分界を超えて自由にやれること、そして“みんなで”という一体感を持つことが重要である」と言っている。

 チームの共同目的とは無関係にリーダーへの忠誠を大事にして、言うべきことや積極的提案をしないチームができてしまっては、知的活動集団としては問題だということだ。

 自分への忠誠を部下に求め、自分の言うとおりにしない部下を、口には出さなくても次第に排除したり、評価を下げたりする管理者が散見されるのは極めて残念なことである。