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総務省は3.9世代携帯電話(3.9G)の商用化に向けた技術条件の検討を開始した。2008年12月に最終答申を出す。周波数のひっ迫が叫ばれる中,携帯電話事業者は3.9Gサービス開始に向けて新周波数帯の割り当てが必須。第2世代携帯電話サービスが利用中の1.5GHz帯の活用が焦点になりそうだ。

 3.9Gとは,現行の第3世代携帯電話(3G)を100Mビット/秒超まで高速・大容量化したシステム。W-CDMAの延長技術となる「LTE」 (long term evolution)や,CDMA2000延長の「UMB」(ultra mobile broadband)が3.9Gのシステムに当たる。NTTドコモは「Super 3G」という名称でLTEの商用化を進めており,ソフトバンクモバイルもLTEの実験を実施している。

 3.9Gは3Gと同じ「IMT-2000」規格に準拠しており,現在3Gが使っている周波数帯を1.4MHz幅から段階的に利用できる。しかし100M ビット/秒を超える伝送速度を実現するには,片方向20MHz幅の周波数が必要となる。現在3Gが割り当てを受けている周波数帯から3.9G向けに 20MHzもの帯域幅を別途工面するのは困難だ。そのため各事業者からは「願わくば新しい周波数帯で3.9Gを開始したい」(NTTドコモ無線アクセス開発部の尾上誠蔵部長)という声が上がっていた。

割り当てが2社に絞られる可能性も

 3.9Gシステムの技術的条件を検討する総務省の「携帯電話等周波数有効利用方策委員会」は4月下旬,3.9Gシステムの利用イメージや干渉条件などの基本コンセプトを7月末までにまとめる計画を示した。その後,既存システムとの共用条件などを調査し,12月に最終答申を出す。

 検討対象とする周波数帯は,国内の携帯電話で利用中の800MHz帯,1.5GHz帯,1.7GHz帯,2GHz帯。現在アナログ・テレビ放送が利用中の700MHz帯は,屋内への電波の浸透率が高いため3.9Gへの利用が期待されている。ただし,空くのは2012年7月以降のため,「今回は検討の対象にしない」(総務省)。当面は1.5GHz帯が焦点になりそうだ(図1)。1.5GHz帯は現在,第2世代携帯電話(2G)サービス向けに合計約 50MHz幅が割り当てられているが,使用期限は最長で2010年3月まで。それ以降は空くことになる。

図1●総務省で3.9G導入に向けた検討が始まる
図1●総務省で3.9G導入に向けた検討が始まる
技術的条件を検討する総務省の「携帯電話等周波数有効利用方策委員会」は,現在日本で携帯電話サービス向けに利用されている800MHz帯,1.5GHz帯,1.7GHz帯,2GHz帯を対象に検討作業を進める。当面は,2010年3月までに空くことになる1.5GHz帯の新規周波数割り当てが焦点になりそうだ。
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 総務省は1.5GHz帯を3G向けに利用するプランを既に決定しているが,新たに3.9G向けの利用も検討する考えだ。4月下旬から3.9Gサービスの利用イメージなどに関する意見募集を開始し,5月下旬の委員会では希望する事業者の意見陳述の機会を設ける。

 3.9Gで100Mビット/秒超を実現するには片方向20MHz幅が必要だが,1.5GHz帯で空くのは50MHz幅。そのため周波数割り当ては,2社程度に絞られる可能性がある。