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四十三、IT会計 「署名したが」は 経営者

 金融商品取引法が施行し、経営者が内部統制報告書に署名する、いわゆる内部統制報告制度が始まりました。とはいえ、実際には、経営者が財務報告書類を作成するわけではなく、内部監査にしても経営者自らが実行する例は少ないと思われます。

 現実の多くの場合、財務報告は会計や財務部門に、内部監査については内部監査部門に、それぞれ権限を委譲して作業を進めることになります。財務報告の仕組みはITによって支えられていますから、情報システム部門も関わります。

 権限委譲と丸投げとは違います。ところが多くの経営者は、内部監査の方法が分からない、ITはもっと分からない、そもそも時間がない、などの理由で、内部統制報告制度に関わる仕事を丸投げ、あるいは、任せきりにしがちです。しかし、それでは外部監査人から繰返し、不備があると指摘を受けることになるでしょう。

 このような状況で、内部統制報告書に署名する経営者の心理はどうなるのでしょうか。内部統制報告に不備があってもいきなり上場廃止にはならないとのことですが、不安を抱え複雑な心境で署名する経営者は少なくないはずです。


(文・森岡 謙仁=経営・情報システムアドバイザー、
アーステミア有限会社代表取締役社長)